
大雪を受けて、例年の話ではあるが、また在宅勤務の話題が盛り上がっている。2015年末発表の調査結果によると、現在、在宅勤務をしていない人の6割に利用意向がある。ただし全体の半数は「毎日出勤しないと仕事ができない」と考えている点にも注意が必要だ。
在宅勤務だとか、あるいはひと昔前の「ノマドワーク」だとか、従来のオフィス勤務に比べ場所や時間の制限を受けない働き方を、総務省などが使う言葉で「テレワーク」という。
テレワークを推進している組織、日本テレワーク協会は2015年9月25日~9月29日、在宅勤務などに関する意識調査を行った。対象は20~60歳代の業務でメールを使っている人。テレワークをする可能性がある層と考えたためだ。1万8,565人から回答を得ている。
■在宅勤務をしたことがありますか?
それによると現在、在宅勤務している人は8.9%、かつてしていたが今はしていない人が5.2%、まったくの未経験者が83.6%、そもそも企業に勤めたことがないという人が2.2%。

要するに9割の人が在宅勤務はしていない。
■在宅勤務をしたいと思いますか?
在宅勤務をしていない人のうち、「ぜひやってみたい」は20.5%、「まあやってみてもよい」が38.6%。利用意向は59.1%だ。悪くない割合と言えるだろう。

■メールと電話さえあればオフィスに出勤しなくても仕事ができますか?
実際のところ、仕事は在宅勤務などのテレワークでこなせる内容だろうか。
「あなたは、メール(と電話)さえあれば、オフィスに出勤しなくても仕事ができると思いますか?」という質問に対する答えはまちまちだ。

「必要なときだけオフィスに出勤すれば問題なく仕事ができる」が20.1%、「週1~2日程度出勤すれば仕事ができる」が11.6%、「週1日程度なら出勤しなくても仕事ができる」が18.4%。
一方で「毎日出勤しないと仕事ができない」と明確に否定する声も49.8%だ。
日本テレワーク協会は「自分の仕事はテレワークでもできると考えている人が多い」とまとめている。
もちろんインターネットサービスに詳しい人は、メールと電話だけでなく、もっと在宅勤務をしやすくするツールをいくらでも挙げられるだろう。オンラインストレージ、コラボレーションツール、グループウエア、ビデオ会議アプリケーション。
とはいえ、どれほど多くの企業がそれらをうまく使いこなせるだろうか。メールや電話だけですら、業務内容によっては難しいかもしれない。大雪の日に満員電車の前でおしあいへしあいする、あまりにも沢山の人々を前にすると、考え込まされる調査結果ではある。