IDC Japan は、国内 IT サービス市場の支出額についての予測を発表。同市場は2014年は好調に推移し、2015年以降も堅調な成長が見込まれるという。

2014〜2019年の平均成長率は1.6%--国内 IT サービス市場規模の予測を IDC が発表
国内 IT サービス市場支出額予測:2013〜2019年

2014年の国内 IT サービス市場は、前年比3.1%増の5兆1,893億円になったとみられる。年前半における金融業や官公庁などのシステム開発需要に支えられ、好調に推移した。データセンターサービスや IaaS(Infrastructure as a Service)の利用拡大も、市場の成長を下支えしている。

国内 IT サービス市場の成長は、2015年以降も継続する見込み。2014年の成長率には及ばないものの、2014〜2019年の年間平均成長率は1.6%で推移し、2019年の同市場は5兆6,205億円になる予測だという。金融機関における大型投資(システム統合や基幹系システムの刷新案件)や「社会保障・税番号制度」(いわゆる「マイナンバー」制度)に関わる投資などが市場のけん引役になりそうだ。

第3のプラットフォーム、すなわちクラウド、ビッグデータ/アナリティクス、モビリティ、ソーシャルといった新たな IT の潮流に関する支出も、市場成長の要因とされている。これらは既存の市場を縮小に導きかねない動きである一方、顧客の売上拡大や利益の増加をもたらしたり、これまで IT の利用が少なかった中小企業のような新たな顧客セグメントを開拓したりといった市場拡大の促進要因にもなりうるという。

IDC Japan IT サービス/コミュニケーションズ グループディレクターの寄藤幸治氏は、今後の国内 IT サービス市場について、「ベンダーは、自ら市場機会を作る姿勢こそが求められる。第3のプラットフォームをベースとしたビジネスモデル構築を自ら行うとともに、顧客である企業に対しては IT を触媒としたイノベーション実現を訴えかけていくべきである」と述べている。

今回の発表は、IDC が発行したレポート「国内 IT サービス市場 産業分野別 2014年の推定と2015年〜2019年の予測」(J15320101)に詳細が報告されている。