情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)では、2014年12月の大雪で徳島県のある地域が孤立し、停電で固定電話が使えなくなったことから、現在販売中の家庭用固定電話機などの停電対応状況について再調査を行った。

CIAJ では、停電時の家庭用固定電話機での通信確保について、これまで、2009年3月と2012年2月に調査している。

災害時の緊急通報や安否連絡は、携帯電話を使用すればいい、と考えがちだが、携帯電話通信設備の停止や通話集中による輻輳などで通信ができなくなるリスクもある。固定電話による通信を確保しておくことは、非常に重要だ。

CIAJ によると、前回2012年の報告から、以下のような傾向があるそうだ。

前回2012年の報告以降、家庭で広く使われている電話機、ホーム FAX で親機のコードレス化が増加、局給電で動作しない機種が増加する一方、バッテリ内蔵のものも出てきており、停電時の通話を確保する場合の選択肢が広がっている。また、内蔵バッテリにより、通話だけでなく FAX 送受信もできる機種が出てきており、端末機器の停電対応は進んでいる。

ただし、停電時に通話ができない機種も少なくないことから、購入時には確認する必要がある。

また、電話機などの端末機器だけでなく、電話回線自体が停電時に使用できなければ、通話できない。加入電話(アナログ電話回線)であれば、電話回線がつながって(活きて)いれば、停電対応の電話機で通話できる。しかし、光回線、CATV 回線、ADSL 回線などを使用した IP 電話では、ONU(回線終端装置)、ケーブルモデム、TA(ターミナルアダプタ)などの機器が AC100V 電源を使用するので、UPS(無停電電源装置)や市販のバッテリなどの電源を確保する必要がある。

また、マンションなどの集合住宅では、宅内の機器だけでなく、共用部分の機器の電源が確保されていることも必要だ。

今回の調査対象は、市販されている家庭用電話機、および FAX 機。また、避難場所などで一部使用が予想されるビジネス用 FAX も調査対象に加えた。電話回線の停電対応については現状の把握、整理を行い、注意すべきポイントをまとめた。

また、調査対象は以下のように分類した。

・単機能電話機(AC 100V 電源を必要とせず、電話回線からの電源のみで動作するもの)
・留守番電話機能付き電話機
・ホーム FAX(パーソナル FAX)
・ビジネス FAX

調査方法は、 CIAJ 会員(電話機)、FAX 機器メーカー、NTT 東日本に調査票を送付し、現在販売中の全機種の停電対応状況を調査した。

機器分類ごとの調査結果は、下表のとおり。( )内は、前回報告(2012年)時。

停電でもつながる電話機はどれ? CIAJ が家庭用固定電話機などを調査
調査結果