IDC Japan は、国内ソフトウェア市場における2014年上半期(1〜6月)の売上額実績および2014〜2018年の予測を発表した。

成長率は4.8%--2014年上半期の国内ソフトウェア市場と最新予測
年間平均成長率は4%前後で推移

2014年上半期の国内ソフトウェアの市場規模は1兆2,652億5,300万円。前年同期比成長率は4.8%だという。2013年から継続した Windows XP サポート終了の特需と、消費増税前の駆け込み需要が重なり、クライアント PC 向けソフトウェアの売上が好調だった。

大分類市場別では、アプリケーション市場が前年同期比成長率3.9%。メールアプリケーション/グループウェアの SaaS(Software as a Service)への移行や、消費税率の変更に伴う中小企業向け財務アプリケーションの入れ替えが成長に寄与した。

アプリケーション開発/デプロイメント市場は同4.8%。ビッグデータ需要の高まりにより、データアナリティクスソフトウェアが市場をけん引した。

システムインフラストラクチャ市場は同5.7%。Windows XP サポート終了の特需によって Windows OS や PC 向けセキュリティソフトウェアの売上が好調だった。また、仮想化/クラウド向けの基盤構築や運用管理に関するソフトウェアが大きく伸長した。

2014年上半期におけるベンダー別のランキングは、1位がマイクロソフト、2位が富士通、3位が IBM、4位が日立製作所、5位が NEC。マイクロソフトは Windows OS の好調な売上により、5%以上の成長を達成している。また、仮想化ソフトウェアの販売が好調だった8位のヴイエムウェアが、上位10社の中では唯一、前年同期比で2桁の成長を達成した。

2014年下半期の国内ソフトウェア市場は、Windows XP サポート終了の特需が終了。PC 向けソフトウェアの売上減少により、2014年通期の前年比成長率は4.2%になると予測されている。

2015年以降は、市場が落ち着きを取り戻して成長率4%前後で推移。2018年には、市場規模が2兆9,846億円に達するという。2013〜2018年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)の予測は4.0%。

大分類市場別に2013〜2018年の CAGR を見ると、アプリケーション市場は3.0%。SaaS へのシフトの加速や、モバイルアプリケーションおよびソーシャルビジネスの活用が市場の成長を促すという。

アプリケーション開発/デプロイメント市場は5.8%。ビッグデータ/アナリティクス需要の拡大と PaaS(Platform as a Service)の成長が市場をけん引する。

システムインフラストラクチャ市場は4.1%。クラウド基盤の構築/管理の増加とセキュリティ対策の強化が市場成長に寄与する。

今回の発表は、IDC が発行したレポート「国内ソフトウェア市場 2014年上半期の分析と2014年〜2018年の予測アップデート」(J14350106)にまとめられている。