5月に発生し、多くの人々が被災した東欧、バルカン半島の大洪水。米国 Yahoo! 傘下のメディアミックスブログサービス「Tumblr」は、その復興支援の取り組みを始めた。現地への寄付を呼びかけるポスターを「リブログ」機能で広めようというキャンペーンだ。

バルカン半島の大洪水では、被災国の1つであるセルビア共和国の在日大使館が公式サイトから日本のインターネットユーザーに直接支援を呼びかけ、Twitter や Facebook を通じてこれに応じようとする声が広がった。

例えば2011年に起きた東日本大震災の後、バルカン半島諸国の市民が、日本に多くの同情と支援を寄せたことを言及する人もいたし、洪水に漬かったセルビアの市街の姿に、津波に襲われた日本の被災地を思い出す人もいた。

Tumblr、バルカン半島大洪水の復興に一肌、「リブログ」で支援の輪
在日セルビア共和国大使館が公開した被災地の写真

だが、セルビア大使館が果たせる役割は、あくまで自国の復興支援の窓口になることだった。その後、日本のヤフーも寄付を募る取り組みを始めたが、やはりセルビアが対象で、バルカン半島のほかの被災国までは手が回っていない。

■クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの支援も


Tumblr の今回のキャンペーンは、セルビアだけでなく、同じく洪水で被災したバルカン半島のクロアチア共和国やボスニア・ヘルツェゴビナの復興も目指し、各国の赤十字などへ寄付を呼びかける電子ポスターを公開している。Tumblr のユーザーであれば誰でも「リブログ」機能を使って、ポスターを友達や家族と共有できる。

もちろん、Tumblr ユーザーでなくても支援に加われる。ポスターに書かれた各国の寄付用 Web サイトの URL を Web ブラウザに入力すると、それぞれ詳しい情報が閲覧できる。

クロアチアでは、赤十字が現地の言葉に加え英語版のサイトを用意しており、寄付ページの「on-line」というリンクから申し込みができる。VISA、MasterCard などの主要なクレジットカードブランドで入金が可能だ。

ボスニア・ヘルツェゴビナ赤十字のサイトは現地の言葉のみ用意しているが、米国 Google の Web ブラウザ「Chrome」などの翻訳機能を使えば内容は理解できる。こちらもクレジットカードでの入金が可能だ。ちなみに「Ime i prezime」は氏名、「Email adresa」はメールアドレス、「Iznos」は寄付金額を指す。氏名などは匿名が希望であれば省略できる。また「KM」は同国の通貨、兌換マルク(BAM)を意味し、6月9日時点の為替レートでは 1KM が 70円あまりとなっている。

セルビアのサイトは政府が運営しており、クレジットカードだけでなくオンライン決済サービス「PayPal」でも入金が可能だ。

Tumblr の公開したポスターの1つ
Tumblr の公開したポスターの1つ