スマートフォンとタブレット端末は、企業の BYOD 対応を推進させているだけのものではない。オンライン動画の市場にも大きな影響を与えている。Adobe の新しい報告書「U.S. Digital Video Benchmark」は、2012年に、iPhone や iPad などのモバイルデバイスが、オンライン動画の利用を、かつてないほど増加させたことを示している。

Adobe Digital Index のシニアマーケティングマネジャーである Tamara Gaffney 氏は、スマートフォンやタブレット端末の利用が増加するにつれ、オンライン動画のコンテンツ人気も高まっていると指摘した。Gaffney 氏は、オンライン動画の利用の増加について次のように説明している。

「オンラインのデジタル動画のコンテンツの利用は2012年に前年比30%の成長を果たし板。オンライン動画の利用はモバイルデバイスと関係している。動画を視聴するきっかけとなる初回のアクセス『動画視聴開始数』は、2012年はタブレット端末で360%、モバイルフォンで300%増加した」

現在モバイルデバイスは、動画視聴開始数全体の10%を占めるまでになっており、今後タブレット端末の売上げが PC を上回るにつれて、この割合がさらに伸びていくことは確実だろう。

Adobe は Adobe Marketing Cloud からのデータを含めて、メディアのウェブサイトで視聴された196億件の動画を分析し、その結果を報告した。それによると、2012年の第4四半期では、ユーザーは前期比13%増の150億ストリームの動画を利用していた。

モバイル端末を使用した動画の視聴が飛躍的に増加−Adobe 調査
タブレット端末などのモバイルデバイスによる動画の視聴が増加(出典:Adobe)

報告書は、モバイルデバイスで視聴する時間やコンテンツの種類が、ユーザーの状況により異なるとも説明している。

スマートフォンのユーザーは、月曜日、木曜日、日曜日に、オンライン動画を最も視聴する。一般的には、この時に視聴される動画は短時間のものだ。報告書は、スマートフォンでの動画の視聴について次のように説明している。

「スマートフォンでの動画の視聴は、手軽なコンテンツの視聴が目的とされている。例えばニュースや天気予報、スポーツニュースのまとめなどだ。そして、家の外で視聴されることが多い」

タブレット端末での動画視聴は、土曜日と日曜日が最も多いそうだ。土曜日と日曜日であれば、タブレット端末のユーザーは、データプランの上限まで使い切る心配なく、多くのオンライン動画のコンテンツを楽しむことができる。報告書は、タブレット端末での動画の視聴について次のように説明している。

「タブレット端末での動画の視聴は、自宅で Wi‐Fi に接続して行われることが多い。これは、長時間の動画を視聴する場合にも言えることだ」

オンライン動画の利用を増加させる要因は、ソーシャルメディアにもある。

ソーシャルメディアが動画の参照元となるケースは、前年の42%から2012年には70%に増加した。Facebook は動画の参照元としてはソーシャルメディアでは最多であり、その割合は75%を占める。一方、Twitter が参照元となるケースは、16%に留まる。だが Twitter ユーザーは、視聴した動画を友だちに紹介する割合が、他のソーシャルメディアユーザーよりも3倍も高い。