企業向け Linux ベンダーである米国 Red Hat は3月27日遅く、2013会計年度の決算を発表した。これまで Red Hat は、その収益のほとんどを Linux に依存していた。だが今後、これは変わっていくかもしれない。

Red Hat の通年の売上は、前年比17%増加して13億3,000万ドルだった。この業績を後押ししたのは好調な第4四半期の売上で、前年同期比17%増加して3億4,800億ドル。通年の純利益は1億5,000万ドルで、1株当たりの利益は77セントだった。

Red Hat は、2014会計年度の見通しも発表した。売上は2013会計年度から16%増加し、15億1,000万ドルから15億4,000万ドルの間になるとしている。

Red Hat の成長戦略「Land and Expand(上陸&拡張戦略)」

Red Hat、2013会計年度の業績を発表 ― 「4〜5年先には、OpenStack 市場は Linux 市場よりもずっとずっと規模の大きなものになるだろう」
業績発表の席上で、Red Hat CEO である Jim Whitehurst 氏は、Red Hat の成長は「Land and Expand」戦略にかかっていると説明した。この戦略では、Red Hat はクライアントに納入した最初の製品で上陸の足掛かりを得た後、徐々に販売する製品やサービスを拡張していく。

Whitehurst 氏は、Red Hat は第4四半期に、同社の大口の取引先25社との契約をすべて更新したと述べた。更新後の契約額は更新前と比較して、120%に達しているという。

「Red Hat の最も古くからのアカウントに対しても、我々は新たな提案をして、関係を拡張し続けている。第4四半期の取引の中には、Red Hat 立ち上げ当初からの顧客とのものがあったが、今回の更新では契約額は倍増し、1,000万ドル超えの取引となった」

OpenStack

Red Hat による「Land and Expand」実現のカギとなる技術が、OpenStack クラウドプラットフォームだ。

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「Red Hat は、OpenStack に対して積極的な投資を継続している。我々は OpenStack プロジェクトに対する2番目に大きな貢献者となった。Linux のときと同様、Red Hat は OpenStack でのエンタープライズクラスのディストリビューションでも重要な役割を果たせると考えている。Red Hat にはその知識もあるし、信頼もある」

Red Hat が OpenStack プロジェクトに参加したのは他のベンダーよりも遅く、このため同社は現在でも製品版レベルの OpenStack ディストリビューションを提供できていない。Red Hat が OpenStack に参加すると公表したのは2012年4月。現在同社は、OpenStack Enterprise ソリューションのプレビュー版を提供している段階にある。

「Red Hat は OpenStack のアーリーアダプターとなっている顧客と協働している。プレビュー版に関心を持っている顧客も多く存在しているが、製品版をリリースするまでは、OpenStack が Red Hat の収入源になることはない」

だが Whitehurst 氏は楽観的だ。OpenStack 市場がやがて巨大なものになることは間違いないからだ。

「4〜5年後には、OpenStack 市場は間違いなく、Linux 市場よりもずっとずっと規模の大きなものになる。だが、今後12か月ということであれば、OpenStack の収益化は、Red Hat に限らずどんなベンダーでも無理だろう」