Morgan Stanley のアナリスト Adam Holt 氏の分析によれば、Microsoft は iPad 向けの Office スイートアプリを販売していないことで、年間25億ドルの潜在的な売り上げを失っているという。

ZDNet はこの件を次のように伝えた。

「Morgan Stanley のアナリスト Adam Holt 氏によれば、Microsoft は iPhone や iPad 向けの Office を提供していないことで、年間25億ドルの潜在的な売上機会を逸しているという。ワシントン州レッドモンドに本拠を持つソフトウェアの巨人は、iPhone 向けまたは iPad 向けのソフトウェアを複数リリースしているものの、Office はリリースしていない」

All Things D は、Microsoft が iOS 版の Office をリリースしない理由を次のように推測している。

「iPad から Office を締め出すことで、Microsoft はタブレット市場に遅れて投入した『Surface』に競争上の優位性を与えたいと考えている。これは、戦略的には正しいのかもしれない。人気の高いソフトウェアが使えないのは、競合他社のタブレットの『穴』となりうるからだ。だが、売上という観点から見れば、失敗であることは明らかだ」

Forbes は、Holt 氏の発言を引用している。

「iPad 版の Office を出せば、数十億ドルの売上となる可能性がある。Microsoft はフルバージョンの iOS 向け Office の提供に抵抗を続けてきたが、最終的には iPad 版の Office にはメリットが大きいと判断を変えるかもしれない。特に、Windows タブレットが期待したほど売れなかった場合には」

FierceMobileContent は、Holt 氏が25億ドルと算出した根拠を説明している。

「Holt 氏は投資家に対して、Microsoft が2012年に Windows ベースのタブレットを100万台以下しか販売できなかったことと、2013年にタブレット市場で10%のシェアを獲得することが困難であることを伝えた。また、Microsoft のパートナーである HP は、近く発表するモバイルデバイスで Microsoft のライバルである Google の Android を採用することも伝えた。

Holt 氏は、Windows PC ユーザーのうち有料版の Office をインストールしているのが10%から15%でしかないのに対し、Mac ユーザーでは30%から40%がインストールしていることを指摘。もし、iPad 版 Office が登場すれば、2億を超える iPad ユーザーの30%が Office を購入するだろうと推測した。仮に iPad 版 Office の価格が60ドルで、Apple に支払う手数料が30%だとすれば、年間の売上は25億ドルとなる。Holt 氏は次のように結論付ける。

『この数字は魅力的なものだ。Microsoft を iOS 版 Office リリースに向けて動かす原動力になるかもしれない』」