米国 HP は米国 Dell の株式非公開化に対して公式な声明を発表。Dell の決定を批判した。だが業界関係者からは、HP は Dell よりもさらに厳しい状況にあるとして、HP の声明に対する疑問の声もあがっている。

HP の公式声明には次のようにある。

「Dell の前途には、非常に厳しい道が待ち受けている。移行にあたり、当面は先行きの見えない状況が続くが、これは顧客にとって好ましいことではないだろう。巨額な債務負担を抱えたことで、Dell の新製品やサービスに対する投資は制限される。レバレッジドバイアウトは、既存の顧客とイノベーションを置き去りにする傾向があるのだ。HP は、Dell の顧客が Dell に代わる PC ベンダーを欲していると考えており、この絶好の機会を最大限に活用していくつもりだ」

CNNMoney は HP の声明に対して、次のように論評している。

「HP の言い分は正しいだろうか? 多分そうだろう。だがこの発言が、同じく『大変厳しい』道の半ばにあり、先行きが不透明な移行の真っ只中にある HP によるものであるという事実は非常に興味深い。同社が将来を模索する苦闘を続けてきたこの3年半の間、株価は66%も下落した。また、前 CEO である Leo Apotheker 氏の辞任をめぐる一連の混乱が生じたのは、わずか1年半前のことなのだ」

Computerworld は、Gabriel Consulting Group のアナリストである Dan Olds 氏の発言を引用した。

「HP による Dell に対する批判は、ひどく不愉快なものだ。このような批判は、市場における HP の地位を高めることにはならないだろう。だが、HP がこの状況を利用しようと考えていることはよくわかった。今後数か月、HP は Dell の企業顧客に対して好条件の取引を持ちかけることだろう」

Wall Street Journal は、Lenovo も声明を公表したことを伝えた。だがその内容は、HP とはかなり異なったものだった。

「Lenovo は声明で、Dell の取引について次のように述べた。

『我々の古くからの競争相手による財政措置は、Lenovo の将来の展望にはなんの影響も与えない。《中略》Lenovo の戦略は明確であり、財政状況は健全で、ビジネスは好調そのものだ。Lenovo は今後も我々の製品、顧客、そして現在の戦略の実行にフォーカスしていく。財政措置を講じたり、戦略を大きく変化させたりすることはない』

HP と Lenovo による声明の違いは、両社の PC 市場における立場の違いをそのまま反映したものになっている。HP は、世界市場における PC 需要の低迷を受け、戦略の見直しを迫られ、混乱を続けている。一方 Lenovo は、中国や新興国市場の好調さに支えられ、売上、利益ともに成長を続けている」