前々回の記事「<15日間でレビュー数180%>レビュー施策で広告効果を最大化」にて、広告効果最大化のための“Google Play ユーザーレビューの戦略的活用”についてお伝えした。2012年11月28日の大幅な仕様変更で渦中の Google Play ユーザーレビューだが、今回は変更内容と影響範囲について解説する。

■仕様変更について

Google Play アプリのレビューを投稿する際、これまでは“匿名ユーザー”として投稿出来た。だが、2012年11月28日の Google Play ユーザーレビューの仕様変更により、レビュアー本人の Google+ アカウント名での投稿が義務付けられた。加えて、レビュアー名とレビュアーの画像から、レビュアーの Google+ ページにリンクされる仕様へと変更になった。レビューのページ上で各レビュアーの Google+ ページが公開された形だ。当変更により、レビュー投稿時には Google+ アカウントへのサインインが必須となった。

Google Play ユーザーレビューが仕様変更。影響は?
<図1> 仕様変更以前のレビューの投稿者名には「Google ユーザー」と表示される
 
この仕様変更はレビューの信頼性向上を目的としており、サクラやスパム、悪意あるユーザーの不適切な行為などの排除に効果が期待される一方、Google+ アカウント名の利用に伴い、アカウントの公開に抵抗を感じるユーザーの存在も想定され、レビュー数の減少に繋がるという声も多い。

では仕様変更後、実際にレビューにどのような変化が起きているのか、自社運営 Android アプリ「100円から即交換の得するアプリ Apptoyou」での調査データを基に解説していく。なお、調査対象期間は下記の通りだ。
【仕様変更前:10/1〜11/27】
【仕様変更後:11/28〜12/11】

■レビュー総数は増加?減少?

1日平均のレビュー新規投稿数は仕様変更前後を比較すると12%減少した。Google+ アカウント名での投稿に対する抵抗感が影響した結果と思われる。また推測の域を出ないが、仕様変更後は Google+ のアカウント開設が手間で、レビュー投稿までたどり着かずにユーザーが離脱してしまっている可能性も高い。

<図2>レビュースコア総数の変化
<図2>レビュースコア総数の変化

■レビュースコア

投稿数全体としては12%の減少となっているが、レビュースコア別に見てみるとどうだろうか?

<図3>5つ星レビュー数の変化
<図3>5つ星レビュー数の変化

<図4>4つ星以下レビュー数の変化
<図4>4つ星以下レビュー数の変化

ご覧の通り、5つ星レビューに関しては仕様変更前後で約10%の増加。4つ星以下のレビューについては仕様変更前後で42%の減少となっている。

■Google+ アカウントについて

それでは、仕様変更後に投稿したユーザーは一体どのようなユーザーなのだろうか?調査したところ、280人中10人(約3.5%)しか Google+ アカウントにプロフィール画像を設定していなかった。

<図5>Google Play スクリーンショット
<図5>Google Play スクリーンショット
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ユーザー像としては下記が想像できる。
・Google+ をほとんど利用していないユーザー
・Google+ は利用しているが、レビュー投稿用に別アカウントを作成したユーザー
・レビュー投稿にあたり、Google+ アカウントを新しく作成したユーザー

あくまでも現時点での話だが、Google+、Google Play などを使いこなし、かつレビューを積極的に投稿するようなユーザーはまだ少数派ではないだろうか。Google が意図していると思われる“大勢の有効なレビュアーの評価を参考にできる”段階には至っていない様子だ。

■アプリベンダーにとって仕様変更は追い風か?

これらの要素を総括すると、仕様変更によりレビューの信憑性が向上したのか?というと、まだ発展途上の感は否めない。

しかしながら、高評価の投稿が増えて低評価の投稿が減る傾向は、アプリベンダーにとってはポジティブなニュースではないだろうか。アプリのレビュースコアが高いということは、低い場合と比較してダウンロードされる可能性が高まると筆者は考えるからだ。(一方で、競合アプリも含めて相対的にレビュースコアが向上する可能性も大いにあるが)

そのため、広告露出を拡大してユーザーとの接触点を増やしたり、Invite ID などを導入してレビュー投稿を促進したりする基礎的な活動を深堀することは、費用対効果の向上に繋がるだろう。2012年も終わりが差し迫っているが、年末年始にかけてすべき事がないか?再度点検するのも良いだろう。

執筆:株式会社ネットマーケティング 斉藤 勇太
記事提供:株式会社ネットマーケティング