前回は「<15日間でレビュー数180%>レビュー施策で広告効果を最大化」にて Google Play のランキングに大きく影響を与えるレビュースコアについて解説した。今回はリワード広告出稿時に事前に抑えるべきポイントを紹介する。

1.トラッキングの罠

前回解説した通り、リワード広告出稿時には各広告会社が発行する SDK と呼ばれるコンバージョン測定ツールをアプリ内に設定する必要がある。

リワード広告出稿時に気をつけたい2つの罠

リワード広告出稿の目的が「小〜中規模(おおよそ1週間で2万以下)のインストール数の獲得」であれば1社のリワード広告サービスで事足りるだろう。しかしながら「Google Play 新着無料カテゴリーのラキング1桁台を狙う」ことが目的である場合は、1週間で3万以上のインストールが必要になるため、複数のリワード広告へ同時に出稿することとなる。

その際、複数の広告会社の SDK を設定する必要があり、結果、ユーザーがアプリを起動するまでに導入したリワード広告数に応じた数のブランクブラウザが立ち上がってしまう。アプリの起動時間が長くなる、一度立ち上がったブランクブラウザがユーザーの端末に残存してしまうなど、ユーザビリティの悪化へとつながってしまう。また、Android の場合、ブラウザ内で立ち上げ可能なタブの数が端末によって異なるため、端末によっては必要な枚数のブラウザが開けずアプリ起動に至れないケースも想定される。

回避策は3つ。

(1)同時に利用するリワード広告の数を出来る限り減らす。

(2)SDK を利用せずにタグを利用したトラッキング形式を採用する。
※アプリベンダー側で初回起動時に立ち上がるブラウザを1ページ用意し、各リワード広告社が提供するイメージタグをそのページに設置する方法。アプリの初回起動時に立ち上げるブラウザが1ページのみとなる。ただし、後述する成果重複のリスクが払拭しきれない点が懸念。

(3)各リワード広告社の SDK をひとつの SDK にまとめることが出来る One-SDK サービスを利用する
 
 
2.成果の重複の罠

複数のリワード広告を同時に出稿する場合、トラッキングの仕様上、成果の重複(複数のリワード広告からトラッキングが発生すること)が発生することがあるのでこちらも気をつけて頂きたい。リワード広告は短期間で数万インストールを集めるため、ひとつひとつのインストール情報などをチェックするには相当の労力がかかる、その為、成果の重複に気づかないケースがほとんどだが、自社 Android アプリ「100円から即交換の得するアプリ Apptoyou」での調査によると全体インストール数に対して約20%の成果重複が見受けられた。

成果重複は以下の条件に発生しやすい。

同一メディアに複数のリワード広告経由で広告が掲載されているとき
同一メディアに複数のリワード広告経由で広告が掲載されているとき

図のように同一メディアに複数のリワード広告経由で広告が掲載され、ユーザーが一度 A 社のリワード広告経由で広告をクリックしたものの離脱し、再度 B 社経由のリワード広告からアプリをインストールする際、ユーザーが両社のクッキーを保有したままアプリを起動させることとなり、両社で成果がカウントされてしまうことになる。

この状況を回避する方法は2つ。

(1)リワード広告社間でのメディア重複が発生しないよう、メディアを精査する
この場合はリワード広告社との調整が必要になるが、複数のリワード広告が導入されているメディアを把握し、広告出稿に制限をかけることで回避することが可能だ。

(2)各社の SDK をひとつの SDK にまとめることが出来る One-SDK サービスを利用する
成果の重複に関しても One-SDK サービスを利用することで問題を回避することが出来る。

これらの懸念を払拭することで、より投資対効果の高いリワード広告の出稿が可能となる。また、スマートフォン広告代理店が提供する One-SDK サービスを導入することで、リワード広告で集まったユーザーのアクティブ(アプリインストール後の動向)計測が可能になることもある。勿論、ベンダー側でリソースを投下して上述のリスクを払拭することも可能だが、リソース対効果を考慮し、リワード広告出稿時のみでもスマートフォン広告代理店が提供する One-SDK サービスを利用する、という選択は非常に有効な手段ではないだろうか。当記事が検討の材料になれば幸いだ。

執筆:株式会社ネットマーケティング 斉藤勇太
記事提供:株式会社ネットマーケティング