IT専門調査会社の IDC Japan は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)とビジネスコンサルティングから構成される国内ビジネスサービス市場に関する予測を発表した。調査によると、2012年の同市場規模は前年比4.7%増の8,626億円になり、2年連続のプラス成長になる見込み。

人事、カスタマーケア、財務/経理、調達/購買の4分野からなる国内 BPO サービス市場支出額は2012年に5,910億円で、前年比4.5%の成長となる。同市場では「リーマンショック」後の2009年に成長率が大幅に鈍化したが、国内企業におけるコスト削減意識の高まりや業務プロセスの改善に向けた取り組みが BPO サービスの需要を拡大しており、堅調に回復している。

IDC では、予測期間内において4分野全てがプラス成長を続け、2011年から2016年の年間平均成長率(CAGR)は4.1%となり、2016年には6,923億円に達すると予測。特に、調達/購買 BPO サービスや、人事 BPO サービスに含まれる福利厚生 BPO サービスなどが、相対的に高い成長率で推移するとみている。

国内ビジネスコンサルティング市場も、国内経済が徐々に向かう中で、新規事業の戦略策定などの事業拡大に向けた案件が回復傾向にあることから、2012年は前年比5.3%増の2,716億円と、ほぼ横ばいであった昨年から成長軌道を回復するとみる。さらに、海外進出やグローバル最適化、経営統合/M&A、事業継続性/災害対策の強化といった国内企業の抱える様々な課題がビジネス変革コンサルティングへの需要に繋がっている要因となり、2011年から2016年の CAGR は5.0%、2016年には3,292億円規模に達すると予想している。

両者を合わせた国内ビジネスサービス市場はリーマンショック後の市場成長率の低迷から徐々に回復に向かい、2011年から2016年の CAGR は4.4%で成長し、2016年の支出額規模は1兆214億円で1兆円を超えると IDC は予測している。一方で、国内 BPO サービス市場では、給与計算や記帳代行における入力業務などの定型/単純作業型のサービスは成熟化し、低価格化により成長率が鈍化するなど、転換期を迎えつつある。

IDC Japan IT サービス リサーチアナリストの植村卓弥氏は次のように述べている。

「今後 BPO サービス事業者は、サービスの高付加価値化のために、より全社/全グループ視点における顧客企業の業務プロセス変革に対応する必要が出てくる。そのためには、ビジネスコンサルティング事業者や、異なるケイパビリティを持つ他の BPO サービス事業者と連携するなど、顧客の企業/グループ全体の視点で業務を捉え、変革を促す力を向上することが求められる」
国内ビジネスサービス市場、成長軌道を回復し2012年は4.7%増の8,626億円規模
国内ビジネスサービス市場 支出額予測: 2011年〜2016年
出典:IDC Japan