IT 専門調査会社 IDC Japan は、2011年の国内 DLP(Data Loss Prevention)市場規模実績と2016年までの予測を発表した。調査によると、2011年の国内 DLP 市場の市場規模は29億円で、前年比成長率が53.2%だった。

DLP 市場は、情報セキュリティ市場のセキュアコンテンツ/脅威管理市場に含まれる。DLP 製品は、データの移動時や利用時にデータを検出/ブロックするネットワーク DLP、クライアント PC やサーバーなどエンドポイント上の機密データの利用を検知/制御するホスト DLP、機密データの格納場所をスキャンするディスカバリー DLP がある。また、同市場には、ソフトウェア製品とアプライアンス製品が含まれる。

2011年の国内 DLP 市場は、標的型攻撃などによる情報漏洩事件が増加していることから、情報漏洩対策ソリューションとして、ソフトウェア製品を中心に需要が高まった。巧妙化が進む標的型攻撃やモバイルデバイスの利用増大によって情報漏洩リスクが高まり、2012年以降も PC やサーバー、モバイルデバイスでの情報漏洩対策であるホスト DLP の需要が高く、市場拡大をけん引する、と同社ではとみている。

同市場の2011年〜2016年における年間平均成長率(CAGR)は25.6%で、市場規模は2011年の29億円から2016年には90億円に拡大する、と同社は予測している。

IDC が2012年2月に実施したユーザー調査結果では、導入済みもしくは導入検討中の企業の6割で予算が製品導入の課題と回答している。DLP 製品は、導入費用と導入作業が大きな課題で、市場拡大の阻害要因になっている。DLP 製品の導入は、顧客情報や知的財産を保持もしくは管理している部門や機密情報の取り扱いに対するポリシーが明確になっている部門から、目的にあった機能に限定したソリューションで導入を進めていくなど、導入時の初期投資を抑えながら、導入効果が期待できるエリアで進めていくことが必要となる。

IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの登坂恒夫氏は次のように述べている。

「ベンダーは、限定した機能から統合的な情報漏洩対策まで網羅できる、拡張性を持った DLP ソリューションを提供する必要がある。これによって予算の問題で全社導入が難しかった企業においても、全社的な情報漏洩対策の強化を段階的に図ることができるようになる」
 

DLP 製品導入済みや導入検討中企業の6割で、予算が製品導入時の課題
国内 DLP(Data Loss Prevention)市場 製品別売上予測: 2011年〜2016年
(出典:IDC Japan)