シナジーマーケティングは10月12日、企業同士の交流による新しいビジネス展開を目的としたフォーラム「Marketing Alliance Forum 2012」を東京都内で開催した。

同フォ―ラムでは、ソーシャルメディアコンサルティングを行うエイベック研究所の代表取締役 武田 隆氏が基調講演として登壇。「ソーシャルメディア進化論」と題し、自社サイト内にソーシャルメディアを組み込んだ「企業コミュニティ」に焦点を当て、先行事例を交えながら収益化に繋げる活用ポイントなどを紹介した。

エイベック研究所の代表取締役 武田 隆氏
エイベック研究所の代表取締役 武田 隆氏

武田氏は始めに、現在ソーシャルメディアの利用者は日本国内で5,060万人(『2012年ソーシャルメディア調査報告書』インプレス R&B、2012年)にのぼる事を述べ、その内83%が「なんらかの形で企業に参加することを求めている」との調査結果を紹介した。加えて、このような状況で企業にとって、ソーシャルメディアの活用が重要かつ喫緊の課題である事を指摘した。

だが、企業がマーケティング活動としてソーシャルメディアをどう活用するかは難しい課題だ。武田氏によると、一つのソリューションとして企業コミュニティの施策があるという。

企業コミュニティは、自社サイト内にソーシャルメディアを組み込んだコミュニティサイトで、企業もしくは企業のサービスのファンとなるユーザーを育成することを目的とする。さらに、コミュニティに所属するユーザーから、外部のソーシャルメディアに対する波及効果をねらう。

では、活発的な企業コミュニティを形成するには、どのようなソーシャルメディアが適切か。武田氏は、さまざまなソーシャルメディアを分類した「ソーシャルメディアの地図」を活用して説明。その中で「企業コミュニティ」にとって適するソーシャルメディアの形態は「価値観」を軸に集まり、ユーザーが「関係構築」を目的として形成されるものだという。

ソーシャルメディアの地図では、縦軸に「拠りどころ」、横軸にコミュニティに「求めるもの」を示したマトリックスで、ソーシャルメディアを4つに分類する。具体的には、縦軸の上に「価値観」を拠りどころとするもの(カカクコム/2ちゃんねる/Wikipedia/ネットワークゲーム など)、下に交友関係など「現実生活」を拠りどころとするもの(Facebook/mixi/Twitter など)を配置。横軸の右側には、唯一性や居心地の良さを求める「関係構築」(ネットワークゲーム/mixi のマイミク/Facebook の友だち など)、左側には冷静な批評や有益性・利便性を求める「情報交換」(カカクコム/2ちゃんねる/Wikipedia/mixi のコミュ/Facebook の公開グループ)を置いている。

企業コミュニティを活性化させるソーシャルメディアとは?―エイベック研究所 武田 隆氏が語る「ソーシャルメディア進化論」
ソーシャルメディアの地図

武田氏によれば、このうち企業コミュニティに適したソーシャルメディアの形態は、右上の「価値観―関係構築」のエリアに属するものだという。同エリアでは、現実生活の交友関係などから離れ、趣味や思いのような「価値観」を中心としたコミュニティを形成できる。企業コミュニティの場合「価値観」は、企業の商品ブランドやブランド コンセプトとなる。また「求めるもの」が「関係構築」であることによって、企業はユーザーと特別な関係になることが受け入れられるという。

一方、右下と左下のエリアに共通する「現実生活」のエリアにおいては、個人と個人でのつながりが必要とされるため、知人を超えたコミュニケーションはハードルが高く、企業コミュニティとして効果を発揮する事は難しい。

また、左上の「価値観―情報交換」のエリアは、自由な発話環境が求められる「価値観」と、有益性・利便性を求める「情報交換」のエリアがクロスしており、企業コミュニティには不向きだという。例えば、カカクコムが東芝に買収されたとするとほとんど価値は無くなる。どこの企業にも属さず、フラットで冷静な批評こそが情報の有益性として重視されるからだ。

実際に活性化している企業コミュニティの先行事例としては、カゴメの「カゴメわくわくネットワーク」などが紹介された。「カゴメわくわくネットワーク」では、オリジナルトマト「凛々子(りりこ)」の苗をコミュニティメンバーに配り、育てている様子をサイト上で共有できる。また、秋の収穫時期にレシピ大会を開催するなどしている。

最後に武田氏は、現在エイベックのサービスとシナジーマーケティングのクラウド型 CRM・顧客管理システム 「Synergy!360」のサービスを融合させる計画が進行中であることも明らかにした。具体的な企画内容はまだ未定だが、企業コミュニティに対し新たなサービスを提供したいとしている。