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“美ら島”5村の力が集結し、武雄市を超える自治体 Facebook ページを展開 -- 沖縄県「おくなわプロジェクト」はなぜ成功したのか

japan.internet.com 編集部
2012年10月15日 / 13:00
 
地方自治体のソーシャルメディア活用が進む中、Facebook ページでの成功事例というと、市のウェブサイトを完全移行した「佐賀県武雄市」を挙げる人が多いだろう。10月14日現在、「いいね!」の数で2万人近くを集めており話題となっているが、その武雄市の規模を上回り、現在急成長している Facebook ページが、沖縄県が中心となって展開している「沖縄離島ガイド・プロジェクト おくなわ」だ。

なぜ、ここまで急成長を遂げたのか。そしてこのプロジェクトが目指すものは何か。プロジェクトの概要と実績、今後の展望について、沖縄県庁で2012年10月12日に行われた記者会見を取材した。

プロジェクトに携わる沖縄県の担当者と沖縄離島5村の村長
プロジェクトに携わる沖縄県の担当者と沖縄離島5村の村長

● 開設からわずか2か月で武雄市を抜き、日本最大級の自治体 Facebook ページに

この Facebook ページは、沖縄本島の周辺に点在する人やモノの移動が最も少ない離島5村(栗国村、渡名喜村、北大東村、南大東村、多良間村)がもつ、自然の美しさや年間を通して行われる様々な季節行事、島にしかない伝統文化、特産品、島だけにしかない"ご当地自慢"などの魅力を県外に発信していくという「沖縄離島戦略的情報発信支援事業」の中心となる情報発信手段として、2012年6月から展開。特設ウェブサイトとともに、島の魅力を、写真を中心にしたコンテンツで発信している。ちなみに、プロジェクトのタイトルになっている「おくなわ」とは、沖縄の中でも本島に対して"奥の方"にある島という意味でつけられた造語なのだという。

Facebook ページは、プロジェクトのポータルサイトという位置づけの「沖縄離島ガイド・プロジェクト おくなわ」だけでなく、島ごとに5つの Facebook ページ(栗国島渡名喜島北大東島南大東島多良間島)を開設。各島の Facebook ページでの情報発信には各島の島民も参加しており、プロジェクトの一環として島民に対して Facebook の使い方を学んでもらう勉強会なども定期的に開催。現在は数多くの島民が、写真や様々な情報を Facebook ページに投稿しているという。

「沖縄離島ガイド・プロジェクト おくなわ」の Facebook ページ
「沖縄離島ガイド・プロジェクト おくなわ」の Facebook ページ
美しい島の風景が楽しめる特設ウェブサイト
美しい島の風景が楽しめる特設ウェブサイト

会見によると、2012年6月のウェブサイト/Facebook ページ開設以降、クチコミなどを通じて多くのネットユーザーの間で話題となり、10月14日現在では2万2千人以上の人が Facebook ページに参加。「いいね!」の数は本格稼働からわずか2か月で、自治体の Facebook 利用では最も成功したと言われている佐賀県武雄市を抜いたのだ。また、Facebook ページに投稿された情報をシェアしたり、「いいね!」をしたりするなど参加者のアクティビティも活発で、Facebook ページを紹介する「Facebook ナビ」で現在"沖縄ランキング"の1位となっているページを遥かに上回る人気ぶりなのだという。沖縄県の担当者も「予想以上の反響だ」と驚きを隠せない。

● Facebook ページが島のもつ"変わらぬ価値"を発見するきっかけに

わずかな時間の間に、なぜここまで急成長できたのか。それは、Facebook ページのコンテンツの良さや、プロモーションの成功が要因なのではなく、そこで発信される島の自然や文化が持つ魅力そのものによるものが大きい。

記者会見の中で、栗国村長の新城静喜氏が「リゾート開発に頼らず、自然や伝統文化を大切にした交流型観光を目指したい」と語るように、5つの島には手つかずの大自然やそこでしか体験できないような伝統的な風習・文化が数多く存在し、新しい価値観や文化が次々と登場しては消費される現代社会にあって、昔から脈々と息づく魅力がそこにはある。この"変わらない価値"がこの Facebook ページに多くの人がひきつけられる大きな力になっているのだ。

Facebookページに公開されている写真(南大東島からの夕焼け)
Facebookページに公開されている写真(南大東島からの夕焼け)

情報発信のデジタル化が進む以前、小さな島ひとつが全国的に情報発信を行う手段を整備するということは、技術的にも、財政的にも非常に難しかった。このプロジェクトの背景でもあるのだが、伝えたい魅力があっても伝えられないが故に島の知名度は上がらず、観光集客も年間1万人に届かないなど非常に苦戦していたという。

しかし、今回 Facebook を活用して5島と県が力を合わせて取り組むこのプロジェクトを通じて、島民の方々が島の美しさやユニークネスを発信しただけで、短時間にこれだけ多くの人々に共感されているのは、その手段や情報の作り方が素晴らしいだけではなく、それぞれ島にある自然・伝統文化がもつ本質的な価値が多くの人々の心を捉えているからなのだ。Facebook ページが、多くの人の島の価値に対する"気づき"や、島の魅力を再発見する "きっかけ"となる役目さえ果たすことができれば、プロジェクトが成功に導かれることは"必然"なのである。

● 5つの島が力を合わせ、切磋琢磨しながら観光を盛り上げる

沖縄県によると、この「沖縄離島戦略的情報発信支援事業」は2010年に開始されて、今年が3か年計画の事業最終年度となるという。2年間の準備期間を経て辿り着いた今回の Facebook ページの成功を基盤とし、今後は5島の魅力を日本国内だけでなく世界中に伝えながら、島の観光振興につなげたい考えだ。

記者会見に並んだ5村の村長も、「5つの島が力を合わせて島の魅力を伝え、切磋琢磨しながら島の観光を盛り上げていきたい」とコメント。また、プロジェクトを統括する沖縄県企画部の比嘉徳和氏も「離島の魅力を伝えることを通じて、沖縄の魅力の深さや多様さを多くの人に知って欲しい」と語る。Facebook ページを通じて高まっていく島の知名度を、これからの離島観光人口の増加、沖縄県全体の観光人口増加へと繋げていくことが、大きなチャレンジとなる。「観光人口を増やして島を盛り上げることで、(島を出た)子どもたちが帰ってきたいと思える島を目指したい」(北大東村村長・宮城光正氏)。

Facebook ページはまだ始まったばかりであり、今後更に多くの人が島の魅力に触れていくことになる。それぞれの島がもつ"変わらない価値"をありのままの形で伝え続ければ、そこに多くのファンが集まり、声が生まれ、それがソーシャルグラフの繋がりの中で増殖を続けることになる。ソーシャルネットワークの中で膨らむ"美ら島"の魅力に対する多くの人の関心は、今後の島の活性化にとって計り知れないパワーになるに違いない。

プロジェクトの今後に対して抱負と期待を語る各島の村長
プロジェクトの今後に対して抱負と期待を語る各島の村長

■「沖縄離島ガイド・プロジェクト おくなわ」Facebook ページ
http://www.facebook.com/okunawajp
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