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「みんなでつくろう!金環日食 MAP」のストーリー(VRI コラム)

川上徹也
2012年6月4日 / 06:00
 
 
企業が生活者とコミュニケーションしていくには、何よりもストーリーが必要です。この場合のストーリーとは、相手の感情を動かすエピソードや仕組みを指します。

映画「天地明察」公開記念で実施された「みんなでつくろう!金環日食 MAP」キャンペーンには、生活者の心を動かすストーリーがありました。

映画「天地明察」は、冲方丁氏の時代小説が原作。日本初の暦づくりに挑んだ江戸時代の天文学者安井算哲(のちの渋川春海)を主人公にしたもので、 2012年9月に岡田准一主演で公開予定になっています。

映画の中で主人公の算哲が、日食が起こる日を予測するシーンがあることなどにちなみ、5月21日におこった世紀の天文ショーである金環日食をテーマにしたキャンペーンを実施しました。

キャンペーンの内容は、事前の「金環日食を見える場所を当てよう!」というクイズと、日食当日の「全国がひとつにつながる「金環日食 MAP づくり」に参加しよう!」のふたつ。クイズは、以下の4地点で実際に金貨日食が観測されるかどうかを予測するものでした。

1 福島県郡山市(ふれあい科学館スペースパーク)
2 京都市(上賀茂神社)
3 香川県さぬき市(造田小学校)
4 熊本県八代市(さかもと八竜天文台)

いずれも、限界線と呼ばれる当日に金環日食がみられるかどうかのギリギリの地点。NASA や国立天文台などによっても予測が微妙にずれていました。その予想を見事「明察」した方の中から抽選で、天体望遠鏡やホームプラネタリウムなど豪華賞品が当たるというもの。

「全国がひとつにつながる『金環日食 MAP づくり』」は、当日太陽が欠け始めたら、携帯電話やスマートフォンからスペシャルサイトをクリックするか、ハッシュタグをつけて Twitter でツイートすると、スペシャルサイトの全国地図に、日食 START マークが点灯するという仕掛けです。

そして、日食当日には上記の4か所に加え、本作の舞台となった東京渋谷の金王八幡宮の5か所で日食観測会を実施し、USTREAM による金環日食観測中継を行いました。また、金王八幡宮では巨大モニターを設置し、各地の日食の様子を生中継で繋ぐ五元同時観測中継が実現。

映画の監督をつとめる滝田洋二郎氏や原作者の冲方丁氏も参加して、クイズキャンペーンの答え合わせも行われました。このクイズキャンペーンには6,000人以上が応募し、金環日食 MAP にも860人が参加し話題になりました。

ではなぜ、多くの人がこのキャンペーンに関心をもったのでしょうか?それは、このキャンペーンには人々が話題にし、またそれを広げたくなるようなストーリーがあったからです。まず、金環日食という世紀のイベントをみんなで楽しむという参加性。そして、クイズという体裁を取りつつも、日食の限界線を観察するという社会的意義があることなども、映画における安井算哲の姿勢とリンクする部分がありました。

このように、世の中全体が関心を持つようなイベントと、自社のキャンペーンをうまく繋げることができれば、多くの人々の共感を呼ぶストーリーがつくりやすいのです。その場合、参加性と社会的意義をうまく組み入れることが成功の鍵になります。

このように、優れたコミュニケーションには必ずストーリーがあります。あなたの会社のコミュニケーションには、インタラクティブなストーリーがありますか?

(執筆:川上徹也)

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