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YouTube の無料動画をビジネスに活用した成功例

ループス・コミュニケーションズ 取締役副社長 福田浩至
2009年3月31日 / 13:00
 
 
ワールドベースボールクラッシックは、日本の2連覇で幕を閉じた。ゲームセットの瞬間の瞬間最高視聴率は、実に56.0%に達した。

テレビが見れなくても、携帯電話のワンセグでテレビで番組を視聴していた人も相当な数にのぼった。試合が勤務時間中であったせいか、メールや電話も随分少なく、試合が終ったとたんに急増したように思う。

インターネットでは、Web ページでスコアだけでなく、ピッチャーが投じたボールの球種・コースまで、若干のタイムラグで教えてくれる。2ちゃんねるでは、多くの人が実況中継してくれるし、観戦中の友人からは、チャットで状況報告があったりする…と、状況を把握するには十分なサポートがあり、便利になったものと感心する。

夜にでもなれば、テレビ各局とも特集状態だ。YouTube におびただしい数の動画が掲載される。おかげで、余韻に浸ることにも苦労しない。現在、YouTube では、1分間に13時間分の動画データが投稿されているとのことだ。

企業活動においても、動画を積極的に活用する事例が増えてきている。製品のコマーシャルを配信する例では、少し古いが Nike の「NikeID」が有名。Nike 以外では任天堂、東芝などが積極的に活用している。

今回は、コマーシャル目的以外の動画配信サービスの利用方法について紹介したい。YouTube を傘下にもつ Google は、動画を企業活動に活用する事例が多数あるので、Google の活用事例を中心に紹介する。

●セミナー/講義など映像を配信
Google の「Developer Day 2008 Japan セッション」のページに行けば、すべての講演や資料を見ることができる。また、Google docs で講演資料を、YouTube のビデオと一緒にみることができる。

Developer Day 2008 Japan セッション
Developer Day 2008 Japan セッション
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資料をめくりながら話を聞くことができるので、実際にセミナーに参加した成果が得られる。もちろん巻き戻しや先送りも自由自在だ。このほかにも、YouTube で「Google developer 交流会」と検索すると、第一回から直近の第七回までの模様を見ることができる。

議論する内容はもとより、その雰囲気を読み取れるので、次回参加するか悩んでいる人には格好の判断材料だ。

一方、マイクロソフトは、「tech-days Japan2009」でビデオを配信している。こちらは映像を丁寧に編集している。説明資料も映像に組み込まれている。かなり手が入っていることが見て取れる。

tech-days Japan2009
tech-days Japan2009
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先に紹介した Google の例は、一切編集をしていない様子。講演の冒頭で、プロジェクターのセッティングに手間取っていたことまで知ることができる。まどろっこしい反面、その場の雰囲気、講師のキャラクターが伝わるメリットもある。きっと、マイクロソフトなら編集しているに違いない。比較してみると、双方の企業文化の違いを垣間見ることができる。

また、国内では多摩美術大学が講義内容をビデオ配信している。
多摩美術大学
多摩美術大学
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「大学案内」ビデオを配信する大学は多いが、講義内容をここまで本格的に配信しているのは出色だ。

こちらは、YouTube ではなく別の ASP サービスを利用している。

●製品紹介の動画マニュアル
Google では、「Google code」という開発者向けのサイトが用意されている。ここで、先の交流会の映像も確認できる。圧巻なのが、API の説明ビデオだ。Google のエンジニアが実際のコーディング方法を丁寧に教えてくれる。

Google code
Google code

図は、Google App engine の開発方法の一画面だ。プログラミングから実行方法まで一連の流れを説明してくれる。このビデオを見ると簡単に実装できそうな気がする。しかも一線級の Google 開発者が直接出演する。きっとソースの書き方も洗練されているに違いない。

salesforce も丁寧な製品紹介ビデオを提供している。専用のプレーヤーを用意しており、編集もかなり凝っている。

salesforce
salesforce

●採用活動のメッセージレター
実際、そこで働く人がビデオで出演する。こちらも Google の例だが、「Google 人材募集」のページから閲覧できる。

Google 人材募集
Google 人材募集
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現在、様々な職能の Google 社員が8名ほど登録されている。それぞれ100秒程度で日常業務のことや、職場の雰囲気などを語っている。もちろん会社に対して否定的な内容は一切ないが、閲覧者に親近感を与えることは間違いない。

日本では、社内コミュニティに顔写真を出す/出さないで大きな問題になったりするので、そのまま参考にはできないかもしれないが、効果はあると思う。国内企業ページでも「先輩たちのメッセージ」として写真とコメントを提供する例は随分と増えているので、旧来に比べると抵抗感はなくなっているかもしれない。

ビデオはあくまで「あるタイミングの、あるシーン」を記録した映像だ。それ自体に価値を求めるのでなく、実物(ライブ)を強く訴求するための材料に過ぎない。人の記憶にとどまるからこそ、時間を遡ることの無い実物(ライブ)の価値が高まる。そして、その将来に対する期待感をもたらす。日本人の誰もが、次回のワールドベースボールクラッシックでもイチローの活躍を見たいと願うように。

これまで、当コラム「SNS をビジネスに活用しよう」は、3年間あまりにわたり寄稿してきましたが、今回をもって終了とさせていただきます。次回より、刻々と進化を遂げるソーシャルウェブサイトの世界的なトレンドと、その構築手法にフォーカスしたテーマでリニューアルします。ご期待ください。

【当コラム執筆は、Looops Communications 取締役副社長の福田浩至が担当しています】

記事提供:株式会社 Looops Communications(ループス・コミュニケーションズ)
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