mixi にて、「コブクロ」のコミュニティを検索すると407件あった。「EXILE」は922件、「大塚愛」は253件である。人気のあるアーティストには、 たくさんのコミュニティが乱立する。「コブクロ大好き」とテーマを限定しても14件もある。

「コブクロ大好き」な人は、どのコミュニティにいけばいいのか?すべてをチェックして複数のコミュニティに顔を出す人、1つのコミュニティに棲み付く人、自らコミュニティを立てる人もいる。

アーティストをテーマにする場合には、「いろいろあって楽しい」かもしれないが、企業のグループではそうもいかない。

例えば、「改善提案」のコミュニティが無秩序に乱立すれば、自分のアイディアをどこに投稿してよいか、わからなくなる。仲のいい者同士だけで提案しあうより、より多くの人が共有できたほうが成果は期待できるだろう。

また、議論も真剣なものになるだろう。当社でも自由意思にまかせたところ、コミュニティが乱立した。先日整理を終えたところである。

企業内のコミュニティ編成には、何らかの統制が必要である。どのように統制するとよいだろうか?

ある製品の企画コミュニティをつくったとする。
主要な参加メンバーは、

・プロダクトの責任者Aさん
・マーケティングのBさん
・開発責任者のCさん
・開発メンバーのDさん
・企画部長のEさん
・社長のFさん

の6名としよう。

製品の販売促進関係の情報は、A、B、E、F
製品の開発計画の状況共有は、A、B、C、D、F
SEO 対策は、A、B、E

でも、スポットで有識者のGさんとも情報を共有して意見を求めたい、開発計画の事前調整では社長のFさんには不参加でいてほしいし…、といった微妙な開示制御を求めたいところである。

これを完全に満足させようと思うと、「製品開発計画コミュニティ」、「SEO 対策コミュニティ」、「製品販売促進コミュニティ」と、立ち上げていく必要が生じる。

きっと、「製品販売代理店コミュニティ」や「製品マニュアル作成コミュニティ」など続々と立ち上げることになるだろう。全方位的に用意をすると最大2○○(参加者数)通りのコミュニティが必要となりかねない。

また、企業には配置転換はつきものである。組織メンバーは変わる前提でコミュニティも運営しなければならない。部署ごとに開示権限が与えられる場合、配置転換になった時点でこれまで見れた情報が一切アクセスできなくなることになる問題もある。

このような配慮をしてコミュニティを乱立させても、微妙にメンバーが異なるコミュニティのうち、どこで議論するのがよいのか迷うことになる。メーリングリストをつくったのものの、含まれるメンバーの顔を思い浮かべるにつれ、その妥当性に疑問が生まれ、結局各人のメールアドレスを直打ちするといった経験をもつ人も少なくないのではないだろうか?

これらは、

1.コミュニティのデフォルトメンバーを設定して、掲示板などのコンテンツごとに 開示できる相手を既存メンバー以外の人をプラスできたり、コミュニティのメンバーでもマイナスできるような機能
2.メンテナンスは少し面倒になるが、メンバー設定を組織ではなく、個人ごとに登録できる機能
3.むやみにコミュニティを誰でも立ち上げることができないように、コミュニティの作成権限を企業が設定できる機能

があれば、上の問題は、何とか解決できそうである。しかし本来、コミュニティを企業活動に活用する狙いは、

・メンバー間のコミュニケーションの活性化すること
・チーム内の経験を蓄積して、その経験(知識)を他の同様なチームや他の業務に移転させること
・さらには、それらの経験をしたメンバー個々のスキルを高め、より高度な業務への対応力を高めること

といったことがあげられる。上のように、細分化して、情報を共有するメンバーの組み合わせを多様化することは、目的に沿ったアプローチではないように思える。

「共有すべき情報はなるべく全員で共有して、微妙なメンバー編成が必要な内容はコミュニティではやりとりしない。あるいは非公開コミュニティなどを活用する」といった割り切りが必要である。

もっとも、何でもかんでもみんなで共有すると、未読情報などチェックすべき項目が増大して、結局誰にも読まれないコンテンツが増大することにもつながる。

これらを踏まえ、はじめは全社コミュニティなど極力種類を減らすため大括りのコミュニティを用意しておいて、特定のテーマのコンテンツが増大したら、段階的に分割をしてゆくことが現実的のようである。

【当コラム執筆は、Looops Communications 取締役副社長の福田浩至が担当しています】