理化学研究所(理研)計算科学研究機構粒子系生物物理研究チームなどが開発したシミュレーションソフトウェア「GENESIS」が、OSS(オープンソースソフトウェア)として無償で公開された。

今回開発された GENESIS は超並列分子動力学計算ソフトウェアで、生体分子の運動を1分子レベルから細胞レベルまで、幅広い空間スケールで解析できる。スーパーコンピュータ「京」(けい)のアーキテクチャを考慮した独自の計算アルゴリズムを導入、並列計算を高効率化し、細胞環境を想定した1億個の原子で構成される系に対しても、高速な分子動力学シミュレーションができる。

また、従来のように、タンパク質1分子や細胞膜、糖鎖、核酸などの生体分子のシミュレーションも可能だ。

これまで、世界中でさまざまな分子動力学シミュレーションソフトウェアが開発されてきたが、多数の演算装置(CPU)を使い、従来の計算アルゴリズムを大規模な分子集団系に適用しようとすると、CPU 間の通信時間が増大するため、限界があった。

実際、タンパク質1分子の計算は可能だったが、細胞質のように多数のタンパク質や核酸などが混在するシステムを、水やイオンなどの溶媒も含めて高速に計算するのは困難だった。