NTT ドコモ東京大学医学部附属病院は、心筋梗塞患者を治療して冠動脈血流を再開する(再灌流)までの時間短縮や、救命率の向上に役立つ「クラウドサーバー型モバイル12誘導心電図伝送システム」を開発し、医療機関や自治体消防向けに商用提供を開始した。5年契約の場合、1台あたり約160万円(税抜)の予定だという。

ドコモが心筋梗塞患者の救命率を向上、「クラウド型12誘導心電図伝送システム」を提供開始
サービス利用イメージ

同システムは、救急搬送車輌内で記録した12誘導心電図をモバイル端末からクラウドサーバーへアップロードし、循環器専門医師が遠隔でクラウドサーバーにアクセスすることで、メールなどによる誤送信や情報漏洩を避けながら、12誘導心電図を確認できるというもの。これにより、心疾患の有無に応じて、専門治療設備のある病院へ直接搬送し、救命率を向上できるという。

実証実験の概要
実証実験の概要

ドコモと東大病院は、これまでに同システムの開発および共同研究における実証試験を実施しており、心筋梗塞患者の再灌流までに要する時間を、従来より平均30%短縮できることを確認したそうだ。