富士通、理化学研究所、筑波大学は、共同開発スーパーコンピュータ「京(けい)」が世界的なスパコン性能コンテスト「HPC Challenge(HPC チャレンジ)」において、4部門ある「クラス1」の2部門で1位を獲得し、残る2部門で2位となった。さらに、同コンテストの「クラス2」では「パフォーマンス賞」に選ばれた。

富士通のスパコン「京」が「HPC チャレンジ」で1位獲得、「クラス1」は4年連続、「クラス2」は2年連続

(出典:富士通)

HPC チャレンジは、スーパーコンピュータの総合性能を評価するコンテスト。科学技術計算で多用される計算パターンから選んだ28項目の処理性能を計測し、性能を多角的に評価するという。ベンチマーク性能値を競うクラス1と、ベンチマークを実装するプログラミング言語の生産性を競うクラス2に分かれる。

京が今回1位を獲得したのは、クラス1のうち「Global HPL(大規模な連立1次方程式の求解における演算速度)」「EP STREAM(Triad)per system(多重負荷時のメモリアクセス速度)」の2部門。残る「Global FFT(高速フーリエ変換の総合性能)」「Global RandomAccess(並列プロセス間でのランダムメモリアクセス性能)」は2位だった。

ちなみに、京は2011年にクラス1の全4部門で1位を獲得した後、2012年、2013年、本年と、4年連続で1位を獲得している。

一方のクラス2は、クラス1の4つある HPC(高性能コンピューティング)チャレンジ ベンチマークの実装に対して、プログラミング言語の生産性と性能の両方を評価するもの。

京の開発グループは、並列プログラミング言語「XcalableMP」が評価されてパフォーマンス賞を獲得した。さらに、XcalableMP を拡張した、演算加速器を搭載するスーパーコンピュータに対してアプリケーションを開発できるようにする言語「XcalableACC」も同時受賞となった。

なお、京/XcalableMP は日本発のシステムとして2013年に初めて同賞を獲得し、これで2年連続の受賞となった。