1台のサーバを複数台であるかのように扱える仮想化/コンテナ化製品「Docker」を米国 Google のクラウド上で運用できるサービスを、同社が発表した。「Google Container Engine」と呼んでいる。

Google のクラウド上で Docker を運用できる「Container Engine」など発表
Google Container Engine

Google は米国時間の11月4日、クラウドサービスに関するさまざまな発表を行った。Google Container Engine はその目玉。Google のデータセンタ上で仮想マシンを構築できる IaaS「Google Compute Engine」に Docker を導入し、見た目上複数のサーバとして機能する「コンテナ」を幾つも配置することが可能。

Docker の管理製品として Google がオープンソースで公開した Kubernetes を採用している。Google Container Engine 上で稼動する Web アプリケーションなどは、手元の開発マシンをはじめ、オンプレミス マシン、パブリック クラウドなど、さまざまな環境に自由に移動できるという。

またクラウド上のアプリ開発、実行環境 Google App Engine の一部として新サービス Managed VM のベータ(試用)版を開始した。同サービスを使うと、App Engine に仮想マシンを組み合わせて使える。オートスケーリング サポート、Cloud SDK 統合、Docker コンテナ上でのランタイムのサポートが利用できる。ネットワークルーティング、ロードバランシング、オートスケーリング、モニタリング、ロギングなどは Google App Engine が設定する。

これに加え発表になったのは、専用線などを通じて Google のクラウドサービスに直接接続できる「Google Cloud Interconnect」、スマートフォン向けアプリでユーザー同士のコメントや位置情報などをリアルタイムに共有するための基盤となる「Google Firebase」(以前に買収したもの)、クラウド上のWeb アプリの修正を容易にする「Google Cloud Debugger」のベータ版、オートスケーラ「Google Compute Engine Autoscaler」など。

サービスの値下げも明らかにしている。具体的には「Network egress」(47%)、「BigQuery storage」(23%)、「Persistent Disk Snapshots (永続ディスク スナップショット)」 (79%)、「Persistent Disk SSD (永続ディスク SSD)」(48%)、「Cloud SQL」 (25%)と案内している。これらは10月に発表した Google Compute Engine の料金 10% 削減に追加で適用となる。