インターネット上のさまざまな情報を保存し、仮想の図書館のように公開している「Internet Archive」が新たな試用版(ベータ版)Web サイトを公開した。

「Internet Archive」刷新--書籍・映像・音楽などの無料デジタルコレクションを前面に
よりモダンなデザインを採用した Internet Archive のベータ版 Web サイト

Internet Archive はこれまで、ネット上に存在する、あるいは存在したさまざまな Web サイトを保存、公開する「WayBackMachine」機能がよく知られいる。サイトの内容が書き換わったり消滅してしまっても、その複製を閲覧できる利便性が人気を博してきた。

新たなベータ版でもこの機能は健在だが、しかしどちらかといえば無料で視聴できるパブリックドメイン(PD)やクリエイティブ・コモンズ(CC)の書籍、映像、音楽のデジタル化資料をより前面に押し出している。これらは丁度、図書館の本棚のようにテーマごとにまとまっており、簡単に一覧できるようになっている。任意のキーワードで検索することも可能だ。

いずれの資料も Internet Archive のサイト上でそのまま鑑賞でき、会員登録してログインすれば、お気に入りに保存してリストごとに整理しておけるようになる見込み(10月30日時点ではまだ一部利用できない)。資料のダウンロードも行えるし、レビューを投稿できるフォーラム機能もある。

全体のインターフェイスについては、およそ1990年代を思わせる従来のデザインから一新し、はるかにモダンになっているが、あちこちにまだ開発中の部分があるので注意が必要だ。

Internet Archive は書籍をデジタル化するためのスキャナなどさまざまな設備を拡充し、掲載する資料をいっそう増やしていく考え。また Web サイトの保存についても、単純に「クローラ」という自動システムを使って保存する従来の方式だけではなく、図書館司書などがツールを使ってブログやニュースなどの記事をテーマごとに整理して公開する「Archive-It」に重点を置いている。今後も WayBackMachine 以外の部分で強化が進みそうだ。