産業技術総合研究所(産総研)ネットワークフォトニクス研究センターらは、情報の大きさに対応して階層的に光パス(経路)を切り替える技術、光パスと配信サーバーの統合的な資源管理技術を開発、従来の電子ルータを使ったネットワークに比べて1,000分の1以下の低消費電力で超高精細映像などの情報を扱える新しい光ネットワーク技術を開発した。

産総研ら、超高精細映像などの大容量を超低消費電力で扱えるネットワーク技術を開発
公開実証実験のネットワーク構成

高精細映像などの大容量の情報のやり取りに、この技術を使うと、今後、トラフィックが数千倍以上に増えたとしても、現在と同程度以下の消費電力に抑えられる。今回、実証実験で使用するネットワークは8つのノードを用いたものだが、わずか 6kW 程度の電力消費で約 90Tbps(現在の国内の総トラッフィクの36倍)の情報を扱える。また、種々の大きさの情報(多粒度の情報)に対応できる技術を開発したことで、全国をカバーする数千万加入のネットワークへの拡張ができるようになった。

今回の開発は、産総研を中心に、NTT、富士通研究所、古河電気工業トリマティスNEC富士通、フジクラ、アルネアラボラトリ、住友電気工業、北日本電線の10社が参加している「光ネットワーク超低エネルギー化技術拠点」プロジェクトによる成果。

今回、10月8から9日に茨城県つくば市の産総研つくばセンターで、NHK と連携した8K スーパーハイビジョンの配信を含む公開実証実験を行い、開発した新しい光ネットワーク技術の超低消費電力性を実証する。また、この公開実証実験に併せて第7回「光ネットワーク超低エネルギー化技術拠点」国際シンポジウムを産総研つくばセンターで開催する。