村田製作所は、最新ロボット「村田製作所チアリーディング部」を開発した。外見はヒューマノイド型に近いが、2本の足の代わりに「ボール」を移動手段にするところが特徴だ。10月7日〜11日の期間、千葉県幕張メッセで開く電子機器の見本市「CEATEC JAPAN 2014」に出展する。

村田、可憐な「チアリーダー」ロボット公開--2足歩行ならぬ「ボール歩行」が特徴
一糸乱れぬフォーメンションダンスが可能(出典:村田製作所)

村田製作所は技術力の宣伝のため、自転車型ロボット「ムラタセイサク君」、一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」を開発してきた。チアリーディング部はこれに続くもの。

左:ムラタセイコちゃん、右:キャムラタセイサク君
左:ムラタセイコちゃん、右:ムラタセイサク君

新たなロボットは、ボールの上でバランスを保って全方位に移動し、さらに10体が連動してフォーメーションダンスを行う。企画、開発にはこれまでと同様、社内の複数部門から人員が参画したという。新たな取り組みとして京都大学松野研究室との共同研究による成果も取り入れた。

身長36cm、重さ1.5kg、ペットボトルぐらいの大きさ
身長36cm、重さ1.5kg、ペットボトルぐらいの大きさ
1時間のダンスが可能で、サッカーのハーフタイムぐらいなら応援を続けられる

同社によると、チアリーディング部に用いた主要な技術は次の3つ。

まずジャイロセンサを使い、どの方向にどの速度で移動すればロボットの姿勢を保てるかを瞬時に計算する「倒立振子制御技術」、そして発信機から出た超音波と赤外線がロボットに届くまでの時間差から現在位置を測定する「超音波位置計測技術」。

さらに複数のロボットを同期、協調させ効率よく作業を行うための「群制御技術」だ。これは京都大学松野研究室との共同研究で実現した。ロボットには 920MHz 帯の電波を使う通信モジュールを搭載しており、計測した位置情報を制御システムに送る。

村田製作所は特設サイトを公開し、さらにデモ動画を公開している。ロボット達がボールを足代わりにして踊る姿は実に可憐だ。

村田製作所チアリーディング部

最近は大手電機などの出展が減り、がっかりすることも多い CEATEC だが、村田製作所の「粋」な技術の使い方に接すると、いつも会場へと足を運ぶ気持ちにさせられる。