日立は、部品や商品が保管されている棚の下にもぐりこみ、棚を持ち上げ自動で搬送する、小型・低床式無人搬送車「Racrew」を開発した。9月1日から国内販売を開始、アジアを中心とした海外での販売も積極的に進めるという。また9月9日〜12日まで東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2014」において、同製品を紹介する予定だ。

日立、工場や物量倉庫で棚ごと運ぶ自動小型無人搬送車を開発
9月1日から発売の「Racrew」

工場の製造ラインや物流倉庫では、作業者は、作業指示に応じて棚に保管されている部品や商品などを自ら取りに行くが、近年は自動搬送システムを導入するところもある。しかし自動倉庫システムは初期コストが高く、部品や商品の保管量、工場内のレイアウト変更などへ対応が困難な面も持ち合わせる。

今回日立が開発した、小型・低床式無人搬送車「Racrew」は、商品などが保管されている棚の下にもぐりこみ、棚を持ち上げ指定の場所にまで搬送する。これにより、作業者が移動することなく部品や商品などを得られ、作業者の生産性向上と省人化を図ることができるので、棚から商品の出し入れを全自動で行う「自動倉庫システム」に比べ、初期コストを約3割抑制するという。

また「Racrew」は、蓄積した運用データを元に分析やシミュレーションを行うことで、利用頻度の高い商品などを積んだ棚を短い搬送時間で済む位置に配置したり、渋滞の少ない搬送ルートを選択させたりして、搬送効率を改善させる機能も有しているという。

「Racrew」の走行速度は、最大速度60m/分 (無負荷時最大速度80m/分まで可能)で、リチウムイオン電池で稼働する。