総務省は、IT 分野の独創的な人材を支援する「異能(inno)vation」プログラムについて、事前発表通り公募を開始した。専用サイトで、自薦、他薦用の応募窓口を用意している。ちなみに選考にあたって「不屈の精神」を持っているかなど、変わった評価基準を設けている。

IT の異能者を求める「異能(inno)vation」プログラム、総務省が本当に公募開始
サイトからも総務省の強い真剣さを感じる「異能(inno)vation」プログラム

異能(inno)vation プログラムは6月に発表。その内容は「ICT(情報通信技術)分野において破壊的な地球規模の価値創造を生み出すために、大いなる可能性がある奇想天外でアンビシャスなICT研究開発課題に挑戦する人を支援する」というもの。

独特な言葉使いはたちまちソーシャルメディア上で話題になった。

しかし、具体的にどういう異能者を求めているかがよく分からないという指摘もあった。

今回、総務省は公募開始に合わせて、募集要項を掲載している。

まず支援予定人数は、1次選考が30人、2次選考は10人。9月の1次選考終了から最長で1年間、IT に関する研究開発について、最大で300万円を補助するという。

応募資格は、8月20日時点で義務教育を修了しており、日本国籍または日本への永住権を持つことが条件。

主な評価点は以下の4つ。

「独創性」破壊的な技術課題に挑戦する個人に相応しいアイデアや特徴を持っているか
「自己追究性」他者に根拠や理由付けを求めない自己追究的な姿勢を持ち合わせているか
「認識の明確性」挑む研究テーマについてその可能性や問題点、あるいはどこが未知の領域なのかについて明確に認識しているか
「不屈の精神」挑む研究テーマに絶対感を持ち、最後に成功するまで挑み続ける気力があるか

また、これまでの経験や能力よりも「予想がつかない技術課題に強い意志を持って挑む」ことができるかどうかを重視するという。「成功に対する仮説を構築でき、かつ失敗してもその失敗によって次の道筋が明確にすることができる提案を期待する」としている。

以上の説明で総務省が求める異能者の人物像が描き出せただろうか。同省は7月末から東京、大阪、札幌、福岡で順次説明会も開くとか。詳細は専用サイトで確認されたい。

なお、このプログラムの事務局は角川アスキー総合研究所が担当するという。