インターネットの急速な進展で、自動車は大きく変わろうとしている。自動車は、もともとネットワークと親和性の高い乗り物だったが、ここにきて、家庭やオフィスのような接続環境が、車内にももたらされようとしている。今や車は、ダッシュボードから車載インフォテインメントまで、最新の「走るワイヤレス機器」になりつつあるのだ。

その、走るワイヤレス機器のプラットフォームとなるのは、Linux ベースの OSS スタックである。

東京で開催された「Automotive Linux Summit」で、OSS 協業プロジェクト「Automotive Grade Linux」(AGL)が、初版の OSS スタックがダウンロードできるようになったことを発表した。

AGL は、コネクテッド カー向けの共通 Linux ベース ソフトウェア スタックを開発するプロジェクト。完全にオープンな自動車向けプラットフォームを開発中だ。

プラットフォームは「Tizen IVI」をベースにしたもので、HTML5 と JavaScript で開発された主要アプリケーションを、ひとつのオープン ソース リファレンス プラットフォームに追加している。

このプラットフォームを利用すれば、自動車メーカーは、Linux ベースのソフトウェア スタックを活用しながら、企業独自のユーザー エクスペリエンスを創出できる。

AGL ワークグループは、リファレンス ディストリビューションの Tizen プロジェクトと連携、デジタル計器盤から車載インフォテインメントまで、広範な自動車アプリケーション向けに最適化されたリファレンス プラットフォームを開発する。

AGL ワークグループに最初に参加した自動車メーカーは、Jaguar Land Rover、日産自動車、トヨタ自動車で、そのほか、アイシン・エイ・ダブリュ、デンソー、Feuerlabs、富士通、HARMAN、Intel、NEC、Reaktor、NVIDIA、Reaktor、ルネサス、サムスン、Symbio、Texas Instruments Incorporated (TI)、Tieto などが参加している。

The Linux Foundation の自動車部門担当ジェネラル マネージャーである Dan Cauchy 氏は、次のように述べている。

「オープン性とコラボレーションこそ、共通の自動車用標準プラットフォーム開発を加速する鍵となるものだから、業界はコネクテッド カー提供というビジョンをより速やかに達成できるだろう。この AGL リリースは大きな前進の一歩だが、すでに同コミュニティでは、これをさらに発展させ、各種性能や機能を次期リリースで追加しようとしている。AGL を基準にすることで、業界はより速やかに技術革新を実現でき、顧客のニーズに対応できるよう進化する」