日本電気(NEC)は、ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-ACE」を、東北大学のサイバーサイエンスセンター、大阪大学のサイバーメディアセンター、国立環境研究所にそれぞれ納入する。各システムの稼働開始時期は、東北大学サイバーサイエンスセンターが2014年10月、大阪大学サイバーメディアセンターが2014年12月、国立環境研究所が2015年6月の予定。いずれもの組織も、従来機種「SX-9」の導入実績がある。

NEC、東北大/大阪大/国立環境研究所に新型スパコン「SX-ACE」を納入
SX-ACE

SX-ACE は、2013年11月発売の最新型スーパーコンピュータ。単一ラック当たりの演算性能は16テラフロップス(TFLOPS)に達し、前機種 SX-9 の10倍だという。中核の CPU は SX シリーズ初のマルチコア型ベクトル CPU で、コア性能は64ギガフロップス(GFLOPS)、コアメモリ帯域は 64GB/秒あり世界一としている。さらに、高密度設計を施し高効率冷却技術を採用したことで、SX-9 に比べ消費電力は10分の1、設置面積は5分の1になった。

SX-9 との比較 (出典:NEC)
SX-9 との比較
(出典:NEC)

今回それそれの組織が構築する SX-ACE ベースのシステムの規模は、東北大学サイバーサイエンスセンターが2,560ノード(理論最大演算性能 706TFLOPS)、大阪大学サイバーメディアセンターが1,536ノード(同 423TFLOPS)、国立環境研究所が384ノード。

なお、既存モデルの SX-9 は、世界的な性能コンテスト「HPC Challenge(HPC チャレンジ)」で高い評価を得た通称「地球シミュレータ2」で知られる海洋研究開発機構(JAMSTEC)のスーパーコンピュータを構成するマシンである。

JAMSTEC の地球シミュレータ2
JAMSTEC の地球シミュレータ2