「OpenStack クラウドプラットフォームは、趣味人のためのプロジェクトではない。メジャーブランドも利用する技術プラットフォームだ」

これが、米国アトランタで開催中の「OpenStack Summit」で打ち出されたメッセージだった。

OpenStack Foundation の最高執行責任者である Mark Collier 氏は同イベントの基調講演で、OpenStack は2010年の「Austin」以降、9つのリリースを公開してきたと述べた。

「4年と9つのリリースを経た現在、OpenStack の統合リリースには、10のキーコンポーネントが含まれている。統合リリースは、コンポーネントの単なる寄せ集めではない」

なぜ AT&T とソニーは OpenStack を使用しているのか?
「OpenStack Summit」の基調講演に登壇した Mark Collier 氏

Collier 氏は、OpenStack ではテスティングも強化されていることに触れた。最新の「Icehouse」では、50を超える外部テスティングシステムが採用されているという。2013年の「Havana」時点では、テストシステムは2つしか存在しなかった。

OpenStack は、メジャーブランドも利用するプラットフォームに成長したが、それには理由がある。Collier 氏は、次のように説明した。

「経済全体で大規模な変革が起きている。あらゆる企業がこれに対応する迅速な行動を求められており、そこでは、スピードが何よりも重要になっている」

それに対応するカギがクラウドであり、そのクラウドを支えるのがオープンソースと「OpenStack」だというのが、Collier 氏による主張だ。

米国最大手の電話会社 AT&T も、オープンソースと OpenStack による変革を実行している企業。同社の Toby Ford 氏は Collier 氏の基調講演で、Ford 氏が AT&T に入社したとき、オープンソース技術の利用は禁止されていたと述べた。だが現在では、状況はかなり違ってきているという。Ford 氏は次のように語った。

「OpenStack は、AT&T にイノベーションをもたらし、我々が貢献可能なエコシステムを与えてくれる」

AT&T は2010年に OpenStack の使用を開始。現在では OpenStack プラットフォーム上でおよそ120ものアプリケーションを稼働させている。当初、OpenStack がデプロイされたのは、3か所のデータセンターだけだった。だが現在では7つのデータセンターで OpenStack が稼働しており、年内に新たに3か所が加わる。

OpenStack は、AT&T にアジリティを与えた。また、Network Function Virtualization(NFV)へのゲートウェイとなる可能性を秘めたプラットフォームだと、Ford 氏は述べている。

OpenStack は AT&T にとって、NFV へのゲートウェイとなるかもしれない
OpenStack は AT&T にとって、NFV へのゲートウェイとなるかもしれない

米国ソニー・コンピュータエンタテインメントの Joel Johnston 氏も Collier 氏の基調講演に登壇。ソニーにおける OpenStack 利用状況について語った。

ソニーは OpenStack を、PlayStation 4 で提供するサービスのバックエンドで利用しているという。OpenStack は、ゲームプレイヤーをオンラインで接続したり、統計データやリーダーボードを提供したり、ソーシャルメディアとの統合を実現したりするソフトウェアのホスティングプラットフォームとして機能している。

ソニーは、OpenStack を PS4 のバックエンドプラットフォームとして利用
ソニーは、OpenStack を PS4 のバックエンドプラットフォームとして利用

Collier 氏は、我々はみな、かつてないほどの混乱と崩壊の時代に生きていると述べた。

「ソフトウェアが世界を食いつくそうとしている。このレースではより速いものが勝ち、そうでないものは誤差として切り捨てられる」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。