米国 Mozilla は Firefox 29 をリリースした。このリリースでは、大規模な UI の見直しが実施されている。今回の UI 変更は、2011年3月公開の Firefox 4 以来、初となるものだ。

新 UI 「Australis」を採用した Firefox 29 登場 ― Mozilla 史上最速の Firefox ブラウザ

この大規模な UI 変更は、「Australis」プロジェクトと呼ばれているもの。Australis はすでに「Aurora」などのプレビューリリースでは公開されていた。Mozilla で Firefox 部門の VP を務める Jonathan Nightingale 氏は eWeek に対し、プレビューリリースでは多くのフィードバックを受け取ったと述べた。

「例えば我々は、タブ幅を広げた。これは、開いているタブ数が少ないとき、タブにより多くの文字を表示して欲しいという利用者の要求に応えたものだ」

Nightingale 氏によれば、ベータ開発期間中に、同様の微調整が多数実施されたという。Australis プロジェクトでは、合計で1,376 件のバグが修正された。

Firefox Accounts

Firefox 29 でアップデートされたのは、UI だけではない。新しいブラウザには、「Firefox Accounts」が搭載されている。Firefox Accounts は、ブラウザ間での同期を実施する Firefox Sync をより利用し易くするもの。利用者が Mozilla でユーザーアカウントを設定することで、デスクトップやモバイルで利用している Firefox を同期可能にするものだ。Firefox Sync でも同じことが可能だったが、そのプロセスは複雑なものだった。

Nightingale 氏は、「利用者にとって Firefox Sync の設定は難し過ぎ、諦めた人もいた」と述べている。

Firefox Accounts

Mozilla でクラウドサービスの VP を担当する Mark Mayo 氏は、ベータ期間中に「数十万」の Firefox Accounts が作成されたと述べている。

「Mozilla には、多くの利用者が Firefox Accounts にサインアップしても、それをサポートできる能力がある。我々は、何億もの Firefox ユーザーに対して、インフラを提供するビジネスを何年も続けてきた。アドオンや Marketplace、Sync のようなクラウドサービスを生み出しそれを運営することは、Mozilla の中核ビジネスの1つだと考えている」

パフォーマンス向上


Mozilla は Firefox をリリースする度に、パフォーマンス向上を目指してきた。Firefox 29 もその例外ではない。Nightingale 氏は次のように述べる。

「Firefox 29 はこれまで我々がリリースしてきた中で、最速のブラウザだ」

Firefox ベンチマーク(出典:Mozilla)
Firefox ベンチマーク(出典:Mozilla)

Brendan Eich 氏

Firefox 29 開発プロセスの期間中、Mozilla は大きな混乱を経験した。Mozilla プロジェクト創設者の1人である Brendan Eich 氏が3月24日に CEO に指名され、4月3日に退任したのだ。

Nightingale 氏は、この期間は Mozilla 従業員にとって厳しいものであったことを認めた。また、Eich 氏を失ったことは、Mozilla にとって大きな痛手でもあったという。

とはいうものの、Mozilla 従業員は Chris Beard 氏が Mozilla に復帰し、暫定 CEO に就任したことに興奮していると Nightingale 氏は述べた。Beard 氏は、2004年の10月から2013年の6月まで Mozilla の最高マーケティング責任者を務めた人物だ。

「オフィスを歩けば、人々が Firefox 29 のリリースに興奮しているのがわかる。皆が、Mozilla の使命達成に向けて張りきっているのだ。これは、先月の件をもう忘れてしまったからではない。そうではなく、なぜ我々がここにいるのかを理解しているからだ。我々は、Web にとって重要なことを果たすためにここにいるのであり、そしてそれを実行している」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。