アメリカ航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA)は、NASA が開発に携わった1,000件のソフトウェアを紹介するカタログ「Software Catalog」を公開した。

NASA がソフトウェアカタログを公開 ― 無料で使える宝の山

Software Catalog が紹介するソフトウェアは、どれもそのコードの無償利用が許可されているもの。カタログにはソフトウェアの説明の他、コードを管理している担当者の連絡先が記載されており、利用者は必要なコードを無料で入手可能だ。NASA は2015年中に、カタログで紹介されたコードへのアクセスをより簡単にする、オンライデポジトリを設置する計画を持っているという。

カタログで紹介されているコードは、以前から無料で入手・利用可能だったものばかり。だがこれまでは、入手先を知ることが困難であったり、そもそも存在を知られていないものも多かったという。NASA はカタログの公開により、より多くの人が NASA の開発した技術を入手し、より広い分野で活用することを望んでいるそうだ。

 Daniel Lockney 氏
Daniel Lockney 氏
Software Catalog では、1,000件のアプリを、「ビジネスシステム&プロジェクトマネジメント」「乗り物管理(宇宙/航空/地上)」「データ&画像処理」など、15のカテゴリーに分類して紹介している。NASA の Daniel Lockney 氏は、NASA が開発したソフトウェアが宇宙科学部門に留まらず、幅広い分野で活用されていることについて述べている。

「我々が設計したソフトウェアは、ギターから、ローラーコースター、キャデラックに至るまで、あらゆるもので利用され続けてきた。NASA による数値流体力学研究の成果は、様々な航空機の設計で活用されているだけでなく、この地球上のあらゆるもので活用されている。例えばアストンマーチン、NASCAR、フォーミュラワン、それに GIRO のバイク用のヘルメットなどだ。

NASA によるスケジューリングソフトウェアは、ハッブル宇宙望遠鏡の運営を支えているだけでなく、忙しい病院での MRI のスケジュール管理や、出会い系サイトの管理アルゴリズムにも利用されている」