理化学研究所(理研)の放射光科学総合研究センターは、富士通から導入した商用スーパー コンピューター「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」の構築を完了させ、4月より稼働させる。理研も開発に参加した富士通のスパコン「京」と互換性があるシステムで、理論演算性能は90.8TFLOPS(テラ フロップス)に達する。

同センターは、X 線自由電子レーザー(XFEL)を使う実験施設「SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)」で得られるデータの解析に京の利用を計画。京とアプリケーション互換性のある PRIMEHPC FX10 を、解析ソフトウェアの開発や詳細解析の事前作業などに活用し、ナノ物質の構造解析にかかる時間の大幅な短縮を目指す。

理研の研究センターが「SACLA」のデータ解析に「京」互換スパコン「PRIMEHPC FX10」導入、90.8TFLOPS
SACLA
(出典:理化学研究所)

同システムは、PRIMEHPC FX10 による計算ノードを中心として、ログイン ノード/管理サーバー群、管理サーバー共有ディスク、ローカル/グローバル ファイル システムなどで構成。計算ノードは4ラックの PRIMEHPC FX10 で384ノードとし、90.8TFLOPS の理論演算性能を実現する。総メモリー サイズは 12TB、ストレージ容量は 600TB。演算性能は東京大学物性研究所の導入したシステムと同等だが、SACLA から得られる実験データが1実験当たり最大 100TB に達するほど膨大なため、東京大学物性研の 129.6TB に比べ5倍弱もある。

PRIMEHPC FX10 (出典:富士通)
PRIMEHPC FX10
(出典:富士通)