日立製作所と日立 GE ニュークリア・エナジー(日立 GE)は、沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)向けに、電源なしで原子炉を長期間冷却し、放射性物質が環境に放出されるのを抑制する空冷技術を開発した。

2011年の東日本大震災のような大規模な自然災害が発生し、電源が使えない状態でも、原子炉の長期間冷却できるようになるか、期待されている。

具体的には、原子炉を空気で冷却する、空冷熱交換器を構成する伝熱管などの表面に、マイクロメートルサイズの微細な加工を施し、従来よりも熱を一部分に密集させ、形成された高温の空気層を一気に外気で取り除く。これにより、空気による除熱性能を約2倍に向上させることができる。

その結果、原子炉の冷却に必要な伝熱管の本数を約2分の1に減らし、空冷熱交換器の体積を約2分の1と、合理的なサイズまで小型化できるようになり、これまで設置できなかったスペースに、空冷熱交換器を設置できるようになった。

今回開発した空冷技術と、ポンプなどを駆動する電源を用いない水冷システムを組み合わせると、空気の自然循環力で可能な原子炉自然冷却システムの実現に大きく前進する、と同社は見ている。

原子力発電の原子炉を停止するには、炉心に制御棒を挿入して核分裂の連鎖反応を停止させるが、原子炉の停止後も、燃料内に残る核分裂性物質は継続して崩壊し、崩壊熱が発生する。このため、原子炉停止後も電動ポンプで冷却水を原子炉に供給、崩壊熱を除去しなければならない。

日立と日立 GE は現在、大規模自然災害などで電源が喪失した場合でも、原子炉を冷却できるシステムの開発を進めている。

今回発表された空冷技術の詳細は、3月26日から28日まで、東京都市大学で開催される「日本原子力学会2014年春の年会」で発表される予定。

日立、電源なしで原子炉を冷却できる空冷技術を開発
電源なしで原子炉を空冷