日立製作所は、イベント会場や空港など大勢の人が集まる大規模重要施設のセキュリティ強化に向け、3つの新技術を開発した。

「タッチパネルに触れるだけで本人を認証できる指静脈認証技術」「複数箇所を同時に検査できる危険物検知技術」「服装や手荷物、移動ルートから人物を特定する不審者追跡技術」の3技術。これらの技術を IT で統合管理し、危険物を扱った人物の移動軌跡を明らかにし、現在の場所を特定する。

 日立では、セキュリティサービス事業の拡大に向けて、安全性、利便性、迅速性を備えた大規模施設向けセキュリティ技術が必要になると考えた。そこで今回、人が密集する大規模施設向けの、本人認証、危険物検知、不審者追跡という3つのセキュリティ技術を開発した。

「タッチパネルに触れるだけで本人を認証できる指静脈認証技術」は、暗証番号の入力と同時に指静脈を認証するタッチパネル型指静認証技術。施設の入館時に4桁の暗証番号を入力する際に、高い精度で本人認証できる。

光を透過する透明なタッチパネルと組み合わせることで、タッチパネルに接触すると同時に接触した指の静脈パターンを撮影し、事前に登録された静脈パターンと照合して本人を認証する。暗証番号入力と指静脈認証が同時にできるので、人の流れを停滞させず、高い精度で本人を認証できる。

「複数箇所を同時に検査できる危険物検知技術」は、装置1台で施設内の複数地点を同時に検査する質量分析型の危険物検知技術。空気を吸引するパイプが多数つながれた質量分析装置を利用、施設内複数地点の危険物を短時間で効率的に検知する。施設内に配置したパイプから、複数地点の空気を同時に吸引、効率的に分析できる。

不審物から危険物質が検出されたときに、それがどの地点で吸引されたかを特定するために、複数本のパイプの組み合わせを変えながら吸引と分析を繰り返し、得られた検出信号から発生地点を明らかにする。

「服装や手荷物、移動ルートから人物を特定する不審者追跡技術」は、混雑する施設で、カメラ映像に顔が映っていなくても、服装や手荷物の色、移動した経路(軌跡)など断片的な情報を利用して、不審者を高速、高精度に探し出す追跡技術。

蓄積された大量の監視カメラ映像を効率的に検索するために、人物のパーツ(顔、頭部、口元、上半身、下半身)ごとの特徴(形状、色)を自動で抽出してデータベースに格納。さらに、人物の移動軌跡情報を抽出し、パーツ情報と紐付けて登録することで、「上半身は青シャツ、下半身は黒ズボン、緑のバックを背負い、廊下を通り過ぎて行った」などの条件で不審者の検索を行う。

なお、今回開発した技術の一部は、3月13日から14日まで、早稲田大学で開催される「電子情報通信学会 パターン認識・メディア理解研究会」(PRMU)で発表される予定。