オンラインで利用可能なクラウド版のソフトウェアとサービスの利用は拡大を続けている。だが企業内で文書を作成したり、数字を処理したり、プレゼン資料を作成したりする際には、いまもハードディスク内にインストールされた Office スイートを利用しているという人が多数派だろう。

クラウド版 Office スイートのメリットとデメリット:お勧め Office スイートトップ3

だが、現在のクラウド版 Office スイートは、利用者が必要とするすべての機能を提供している。また、これまで利用者が得られなかったものさえ提供している。それは「選択肢」だ。これまで Office スイートと言えば「Microsoft Office」のことだった。だがオンライン Office スイートでは、複数の製品から利用目的に合ったものを選択することができる。

クラウド版 Office スイートのメリットとは?

クラウドベースの Office スイートのメリットは、その他のクラウドサービスのそれと同じだ。利用者はソフトウェアをインストールしたり、メンテナンスする必要がない。Web ブラウザとインターネット接続があれば、ログインするだけで利用を開始できる。どの PC やデバイスからでもアクセスできるのも魅力だ。Microsoft Office をインストールできない Google Chromebook や、タブレット端末からでも利用できる。

もう1つのメリットは、ファイルがクラウド内に保存される点にある。これにより、利用者はいつでも、どこからでもファイルにアクセス可能だ。ファイルがデスクトップ PC のローカルディスク内や、オフィスのネットワークドライブに保存されている場合、外部からアクセスするのは容易ではないが、クラウドベースアプリであれば、そのような心配は無用だ。

ソフトウェアのメンテナンスが不要なのもクラウド版 Office スイートの大きなメリット。パッチの適用やバグ修正は、すべてサービスの提供者が対応してくれる。

クラウド Office スイートのデメリットとは?

クラウドベースのソフトウェアモデルには、デメリットもある。そのアキレス腱は接続性だ。インターネット接続が得られなければ、利用者はファイルにも、それを開くアプリにもアクセスできない。接続が可能な場合でも、接続速度が遅ければ(共有 Wi-Fi ホットスポットなどではありがちだが)、利用者はストレスを感じることになるだろう。

だが現在では飛行機内での Wi-Fi 接続さえ当たり前になりつつあるし、スマートフォンを使用したテザリングも広く利用されるようになっている。接続性の問題は、以前と比較すれば、それほど大きなものではない。

オンライン Office スイートに必要な機能とは?

オンライン Office スイートで求めらる機能は、Microsoft Office に搭載された機能と同じと考えてよい。人々は Microsoft Office の代替となるサービスを求めている。最低でも、E メールの送受信、文書・スプレッドシート・プレゼンテーションの作成と編集機能は必要だ。この機能のうちのどれが欠けても、Microsoft Office の代替として利用することはできない。

一方でオンライン Office スイートには、伝統的な Office スイートには存在しない機能も搭載されている。利用者は、クラウド内に一定容量のファイル保存スペースを与えられることが多い。ファイルをプロジェクトメンバー間で共有し、共同作業を可能にするコラボレーション機能なども提供される。製品によっては、スマートフォンやタブレット端末からファイルにアクセスできるモバイルアプリを提供しているものもある。

おススメのオンライン Office スイートは?

1. Google Apps for Business

Google による Google Apps は、オンライン Office スイートとして最もよく知られたものであり、早くから熱心な支持者を獲得していた。やがてこのサービスには、ビジネス顧客による要求に応え、多くの機能が追加されていく。独自ドメイン名を持つ E メールサービス、より大きなサイズのストレージ、ビデオ会議機能などだ。

Google Apps for Business の中心にあるのは、「Google ドキュメント」。これは、ワードプロセッサ(Google Docs)、スプレッドシート(Google Sheets)、プレゼンテーション(Google Slides)の各機能で構成されている。これらはオンラインストレージサービス「Google ドライブ」と緊密に統合されている。Google ドライブを使えば、Mac、PC、モバイルデバイスを問わず、利用者はどこからでもファイルにアクセスし、ファイルをダブルクリックするだけで関連付けられたアプリケーションで開くことが可能になる。

Google ドライブアプリは PC 上にインストールすることも可能。この場合でも、コンピューター上で編集されたファイルの変更内容は、自動的にクラウドにも反映される。

E メールサービスを提供するのは、お馴染みの「Gmail」。「Google カレンダー」と密接に統合されており、他のカレンダーユーザーとスケジュールを共有可能だ。

Google カレンダー

ビデオ会議機能では、Google は「ハングアウト」を活用している。この機能を利用すれば、最大で15人が参加するビデオ会議を開催可能だ。ハングアウトもまた、他の機能と密接に統合されており、例えばハングアウトによる会議は、Google カレンダーでスケジューリング可能だ。

 ビデオ会議機能「ハングアウト」

2. Zoho Productivity Apps

Zoho はビジネスのあらゆる局面で必要となるアプリをクラウドで提供するサービス。顧客情報を管理する「CRM」、請求情報を管理する「インボイス」、メールサービスの「メール」などのアプリを保有している。

オンライン Office スイートとしての機能は、文書を作成する「ライター」、表計算シートを作成する「シート」、プレゼン資料を作成する「ショ―」、スクラップブックを作成する「ノートブック」、そしてスケジュールを管理する「カレンダー」がある。コラボレーションツールとしては、「ドキュメント」が利用可能だ。

Zoho Writer

Zoho による無料のプロダクティビティアプリは、Office スイートとして必要とされる機能をほぼすべて提供している。メニュー構造は Microsoft Office を模したものになっているため、短期間で操作に慣れることができる。作成したファイルは、Dropbox や Google Docs と同期することも可能だ。

Zoho の最大のメリットは、なんといっても無料であること。そして、Office スイートの他にも、提供される機能が実に豊富であることだ。有料版も用意されている。

3. Microsoft Office 365

Microsoft Office は、デスクトップ版 Office スイートの巨人。だがクラウドの世界では新参者に過ぎない。とは言うものの、Microsoft Office 365 には大きなメリットがあるため、クラウド版 Office スイートの選択肢から外すことはできない。

Office 365 インターフェイス

Microsoft Office 365 の最大のメリットは、従来型のデスクトップタイプの Office とほぼ同じルックアンドフィールを備えていることだ。これにより、利用者は新たな操作方法を学ぶ必要がなくなる。また、サブスクリプションプランによっては、ローカルにインストール可能な Office スイートを利用することも可能だ。現在と同じ利用環境を維持したいユーザーにとっては、これは大きなプラスとなるだろう。

その他、Office 365 では「Lync」を利用したオンラインミーティングを利用することもできる。