米国 Google による Chromebook は2014年、風変わりな新商品という位置付けから、ノート PC 購入時の現実的な選択肢へと進化するだろう。

Chromebook を購入すべき6つの理由と、購入すべきではない6つの理由
Google Chromebook

2011年の登場時、Chromebook は取るに足らないものとされてきた。その最大の理由は、Chromebook の OS が Chrome OS だったことにある。このため、Chromebook の利用者は、あらゆる作業を Google の Chrome Web ブラウザ上で行わなければならなかった。また、Windows、Mac、Linux のアプリケーションを Chromebook にインストールすることもできなかったのだ。

これは多くのユーザーにとって重大な制約となった。だが、Chromebook の制約はこれだけではなかった。発売当初は、インターネット接続がなければ、Chromebook は役立たずだったのだ。これはかなり致命的だった(現在では、多くのアプリが、オフラインでも動作可能になっている)。また、初期型の Chromebook はバッテリ―持続時間も短く、価格も高かった。これらの理由により、一般消費者は Chromebook を、ネットブックより使い勝手が悪く、タブレットほどクールではないデバイスと見ていた。

だが、この状況は変化している。

Chromebook は進化した

最新型の Chromebook は高い評価を受けている。価格も安く、本体は軽量で、バッテリー持続時間も長くなった。例として Acer の C720 Chromebook をあげよう。価格は199ドル。重さは1.25kg。バッテリー持続可能時間は8.5時間となっている。この価格でこのようなスペックを持つマシンは、従来型ノート PC のカテゴリで見つけることはできない。

Acer C720 Chromebook
Acer C720 Chromebook

HP、Samsung、Google、そしてもっとも新しいところでは東芝も Chromebook を製造しており、それらの価格はどれも350ドル前後だ。Dell と Asus も近く Chromebook を発売する。

2013年は Chromebook にとって良い年となった。NPD Group による調査によれば、米国における2013年1月から11月までの Chromebooks の販売台数シェアは、ノート PC 売上全体の21%にも達したという。

また、米国 Amazon.com における2014年1月のノート PC トップセラー上位2機種は、Chromebook が占めている(記事執筆時点)。

消費者は2014年、Chromebook の購入を検討するべきなのか? 間違いなくそうだろう。私は最近、Acer C720 と HP Chromebook 14 のテストをするチャンスを得た。両機種は、質感こそ MacBook Air に後れを取っていたが、驚くほど便利だった。

ここでは、Chromebook を購入すべき理由と、購入しない方がよい理由を述べよう。

Chromebook を購入すべき7つの理由

1. 価格が安い

Google Chromebook サイトで紹介されている9台の Chromebook のうち、8機種まではその価格が350ドル以下だ。例外は、Google 自身の販売する「Chromebook Pixel」。高解像度なタッチスクリーンを持つ、ゴージャスなノート PC だ。Pixel の価格は、Wi-Fi 版で1,299ドル。

ハイエンドな Chromebook 「Chromebook Pixel」
ハイエンドな Chromebook 「Chromebook Pixel」

Google は、一般的なノート PC と Chromebook を3年間保有した場合のトータルコストを計算する「Chromebook savings calculator」を提供している。これによれば、Chromebook の購入は一般的なノート PC の購入に比較して、3年間で5,000ドルのコスト削減につながるという。

Google による Chromebook savings Calculator
Google による Chromebook savings Calculator

2. 軽い


多くの Chromebook の重量は1.4kg 程度。最も重いのは HP の Chromebook 14 だが、その重量は1.85kg に留まっている。

3. 一度の充電で、一日中利用を続けられる

モデルにもよるが、最新世代の Chromebook には、外出先で一日中利用できるものが多い。もっともバッテリー持続時間が長いのは HP Chromebook 14で、9.5時間使用できる。次点は東芝の Chromebook で、持続時間は9時間。

4. 無料ソフトが豊富

Chromebook は単なる Web サーフィンの道具ではない。Google ドライブ、Gmail、Google ドキュメント、Google カレンダーなど、多くの Google サービスに最適化されている。

Google ドキュメントでは、Microsoft Office 文書を開き、編集することも可能だ。だが、編集するには、ファイルを Google フォーマットに変換する必要がある。編集後、Office ファイルに戻すと、フォーマットで問題が発生することがある。

5. セキュリティ対策ソフトが不要

Google によれば、Chrome OS にはセキュリティ対策ソフトがビルトインされており、利用者側で対策を講じる必要はないという。

6. ノート PC を開けば、すぐに仕事ができる

Chromebook は従来型のノート PC と比べてはるかに起動が早く、すぐに仕事に取り掛かることができる。

Chromebook を購入すべきでない6つの理由

1. Windows や Mac のソフトウェアが利用できない

これは多くの消費者にとって致命的な問題となっている。Chrome OS 上では、利用者がこれまで利用してきた Microsoft Office、Photoshop、Skype、iTunes が利用できない。Chrome OS 上で提供される、代替アプリを利用することになる。Google ドキュメントは、その使いやすさには驚くべきものがあるが、Office 文書の扱いではやはり制限がある。1台のコンピューターですべてを済ませたい人にとって、このことは Chromebook を選択肢から外さざるを得ない最大の要因となっている。

2. インターネット接続が必要な場合がある

現在では、多くの Chrome OS アプリがオフラインでも動作するようになっている。だが、Wi-Fi サービスのない飛行機の中でプレゼンに必要な画像を編集しようとして、画像編集ツールがオンラインでなければ利用できないことに気付き、茫然とすることもある。

3. クラウドへの依存が高まる

Chromebook の利用を始めると、重要なファイルをクラウドに保存するようになる。そうしないと、Chromebook からのアクセスが面倒になるからだ。これまでは主に利用する PC のハードディスクに保存していたファイルも、Google ドライブ、Dropbox、SkyDrive などのクラウドサービスに移すことになる。

SD カードに重要なファイルをコピーし、Chromebook の SD カードスロットに挿入して、それを利用するという手もあるが、これだとバージョン管理の問題が発生しうる。

Chromebook を購入した場合、業務上の習慣を変化させることが要求されるかもしれない。

4. プライバシーに対する懸念

重要なファイルをクラウドに保存することに関しては、プライバシー上の懸念を持つ人もいるだろう。Google サービスを使えば使うほど、Google は利用者について学んでいくためだ。便利であると感じる人も多いが、不安に感じる人もいる。

5. プリンターを直接接続できない

Chromebook には USB ポートが付いており、外部デバイスを接続できる。だが、ここにプリンターを直接つないで印刷することはできない。印刷する場合には、Google クラウドプリントを利用しなければならないのだ。だが、Google クラウドプリントの設定はかなり容易ではある。

6. CD/DVD/BD ドライブが付属しない

Chromebook には CD/DVD/BD ドライブは付属しない。映画などを見たい場合には、ストリーミングサービスなどを利用することになる。

結論:Chromebook は“買い”なのか?

もしあなたが2台目、3台目のノート PC を求めていて、それにあまり費用をかけたくないと考えているとき。また、Gmail を含む Google サービスをすでに利用しているとき、Chromebook は検討すべき選択肢の1つとなるだろう。

一方、もしあなたの業務が Adobe Creative Suite などの特殊なアプリに依存したものであるならば、Chromebook は購入しない方がよい。