2013年もまた、Linux が複数の分野で進化と成長を遂げた年となった。ハイエンドでは、Linux は世界のスーパーコンピュータの上位を独占した。その一方、組み込み市場での躍進も続いている。

両極とも呼べるこれら2つの市場の狭間で、2013年の Linux Planet には、少なくとも3つの注目すべきトレンドがあった。「ゲーム」「ハードウェア」そして「スマートフォン」だ。

1. Linux ゲーム ―「SteamOS」の登場

Linux をデスクトップ PC 上で稼働させ始めたときから、人々は Linux ゲームを求め続けてきた。

2013年は、Valve と同社の Steam ゲームクライアントにより、その状況に変化の兆しが見え始めた年だった。Steam により、Linux ユーザーは人気の高い多くのゲームを利用可能になったのだ。さらに、Steam は単なるゲームクライアントから、本格的なゲームシステムへと進化を遂げつつある。

Valve は2013年、Linux がゲームの未来であると宣言。Linux ベースの「SteamOS」のベータ版を発表した。SteamOS は2014年にラスベガスで開催される Consumer Electronics Show で公開予定の Valve によるゲームコンソール「Steam Machine」のオペレーティングシステムだ。

【LinuxTutorial】 Linux の2013年を振り返る ― SteamOS、Chromebook、Ubuntu Edge
Valve による「Steam Controller」

SteamOS は Linux 市場にゲームという新たなカテゴリーを作り出すものになる。だがそれだけではない。SteamOS のコアには Debian が使われており、長い目で見れば Linux 自体のグラフィク機能を向上させる原動力となるはずだ。

2. Linux ハードウェア ― Chromebook の急成長

Google Chromebook に対する一般消費者からの関心が高まったおかげで、Linux ハードウェアは2013年に大きな成長を遂げた。

Google の Chromebook ではコアの部分でシン Linux システムが稼働しており、利用者がクラウド上のオンラインサービスにアクセスするゲートウェイとなる Chrome ブラウザを動作させている。

NPD Group による最新の調査によれば、米国における2013年1月から11月までの Chromebooks の販売台数シェアは、ノート PC 売上全体の21%にも達した。デスクトップやタブレットまで含めたパーソナルデバイス全体の販売台数から見ても、Chromebooks の売上は9.6%にまで達している。前年同期のシェアはわずか0.2%。NPD はこれを“無視できる”シェアだったと表現している。

パーソナルデバイス販売台数シェア一覧(2012年1月〜11月 vs. 2013年1月〜11月)
パーソナルデバイス販売台数シェア一覧(2012年1月〜11月 vs. 2013年1月〜11月)
(出典:NPD)


3. スマートフォン ― Ubuntu Edge クラウドファンディングプロジェクト

Mark Shuttleworth 氏の目論見通りとはならなかったが、それでも Linux 搭載スーパースマートフォン「Ubuntu Edge」は、2013年もっとも注目を集めた Linux プロジェクトとなった。

Ubuntu 搭載ハイスペック“スーパースマートフォン”「Ubuntu Edge」
Ubuntu 搭載ハイスペック“スーパースマートフォン”「Ubuntu Edge」

Shuttleworth 氏はクラウドファンディングにより、30日間で3,200万ドルの調達を目指した。最終的に調達できた資金は1,280万ドル。だがクラウドファンディングによる資金調達額としては、記録破りのものとなっている。

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。