米国 IBM は、新しいクラウドストレージ用ソフトウェアを開発した。複数のクラウドに、機密と安全性を保ったままデータを移行できるインターフェイスを提供するものだ。

IBM の研究員が開発したのはソフトウェアツールキットで、データ移行/バックアップ/ファイル共有に用いられるサードパーティ製プライベート/パブリック クラウドにストレージシステムがアクセスし、使用できるようにするもの。

ツールキットは特定のベンダーに依存せず、選択するクラウドにファイルをドラッグ&ドロップでバックアップ/共有できるようにする「オブジェクトストレージ」インターフェイスを使用する。

IBM がクラウド間データ移行ツールキットを開発、特許申請中
IBM がクラウド間データ移行のためのツールキットを開発
図:IBM 提供

この技術は、オブジェクトストレージにデータを重複して保存する際のスペース効率、データ同期、メタデータによる情報連携に対応し、クラウドに障害が起きると、バックアップクラウドが透過的にユーザーに対応し、データの可用性を確保する。冗長性と耐故障性を追加する斬新なアプローチをとっており、クラウド・クライアント間で同期をとったり、コミュニケーションをとる必要はない。

IBM のクラウドである「SoftLayer」には、オブジェクトベースのインターフェイスがあり、このツールキットと SoftLayer の組み合わせでは、クラウドストレージ容量の限界を克服し、遠隔のパブリッククラウドからオンプレミスのプライベートクラウドにデータ移行し、ストレージ管理全体を効率化できるという。

IBM では、セキュリティや信頼性、ベンダー ロックインなどの根底にある課題が、クラウド採用の広がりを妨げていることから、今回のソフトウェアを開発したという。

今回 IBM が開発したソフトウェアには、同社の研究員による特許出願中のアルゴリズムが含まれており、このアルゴリズムは、「IEEE/IFIP International Conference on Dependable Systems and Networks(DSN)」で、「Robust data sharing with key-value stores」という論文として発表された。

出願中の発明は、複数の異なるクラウドにデータをシームレスに保存、移動する手法。データの復元力/セキュリティ/サービス継続性に関する懸念を克服する。この手法は、単一クラウドよりも強力にデータを保護、サービス停止やデータ損失を避けることができる、個々のクラウドのレジリエンスを利用する「cloud-of-clouds」(複数のクラウドが連携したクラウド)というアプローチを採用している。