家庭用のプリンターや防犯カメラ、テレビや冷蔵庫に洗濯機。このような「モノ」がすべてインターネットに接続される「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」時代が到来しつつある。そしてこの新たなテクノロジ―が、IPv6 普及を加速させるものとなるようだ。

先週開催された Cisco の Tech Radar イベントで、Cisco CTO である David Ward 氏は、インターネットは数10億の新たなオブジェクトを扱うことが十分可能だと述べた。Ward 氏によれば、歴史はすでにインターネットが高度にスケーラブルであることを証明しているという。ここ数年、数10億台ものスマートフォンやタブレットがインターネットに新たに接続しているが、インターネットはこれに耐えた。

「モノのインターネット」が、IPv6 普及を推進させる
Cisco CTO である David Ward 氏

Ward 氏は IoT の実現には、IPv6 の普及が不可欠なものとなると述べた。IoT 時代が本格的に到来すれば、その数はモバイルデバイスの比ではなくなる。これにインターネットが対応するには、IPv6 を利用するしかない。

IPv6 は、32ビットアドレスを利用する現行の IPv4 の後継技術で、128 ビットのアドレス空間を利用できる。IANA が管理する IPv4 アドレス空間は2011年2月3日ですでに枯渇している。だが、それでも IPv6 への移行は進んでいない。

「IPv6 の普及には時間がかかっている。だが、IPv6 はインターネットのコアでは以前から利用可能になっているし、基本的にはすべてのサービスプロバイダーも IPv6 に対応している」

Ward 氏は、人々は IPv6 の普及を促進させる「キラーアプリ」の登場を待っていたと述べた。だが、キラーアプリは実際にはアプリではなく、数えきれないほどの新たなモバイルデバイスと IoT だった。

「我々は今後、インターネットに数10億のデバイスを接続していく。そのとき、IPv6 はより多くのアドレス空間をデバイスに提供し、地球全体を構成する原子のような役割を果たすだろう。IPv6 のアドレス空間が簡単には枯渇しないことを祈りたい。IPv4 から IPv6 への移行さえ、これほど時間がかかったのだから」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。
(この記事は、12月6日付け英文記事の抄訳です)