スペインのセキュリティ企業 PandaLabs は、2013年第3四半期のセキュリティレポート「Quarterly Report PandaLabs」を公表。2013年に新規発見されたマルウェアの数が、過去最高レベルに達していたことを明らかにした。

同レポートは、2013年1月から9月まで間に、1,000万件近い新規マルウェアが観測されたと報告。2012年通年に観測された新規マルウェアの数を、既に上回ったとしている。

マルウェアの数が急増したことには、いくつかの理由がある。PandaLabs のテクニカルディレクター Luis Corrons 氏は eWeek に対し、その理由を次のように説明した。

「マルウェアの数は以前から増加傾向にあったが、ここ最近は、サイバー犯罪に対するインセンティブがより高まったことで、マルウェア開発数も増加している。より多くのユーザーがインターネットにアクセスし、より頻繁にオンラインショッピングを利用するようになったため、サイバー犯罪で稼ぐ方法が多様化した」

マルウェアの数は増加したが、新しい形式のマルウェアが生み出されることはほとんどなかったという。2013年に観測された新規マルウェアのほとんどは、既存のマルウェアの変種に過ぎなかったと、Corrons 氏は述べている。

2013年第3四半期に観測された新規マルウェアをタイプ別に分類すると、「トロイの木馬」タイプが最も多く全体の76.85%を占めている。これに、「ワーム(13.12%)」「ウィルス(9.23%)」が続く。「アドウェア」タイプは、新たに観測されたマルウェアの1%以下(0.57%)だったそうだ。

2013年に観測された新規マルウェアが、1,000万件を記録
2013年第3四半期に観測された新規マルウェアのタイプ

マルウェアの感染は世界中で問題となっているが、一部には特に感染率が高い国が存在する。

中国では、59.36%のコンピューターがマルウェアに感染していると PandaLabs は報告した。中国でマルウェア感染率が高いのは、海賊版ソフトウェアの使用率が他国と比較して高いためだと、Corrons 氏は説明している。また中国には、独自のマルウェアエコシステムが存在していることも感染率が高い理由の1つだと Corrons 氏は付け加えた。

マルウェア感染率が高い国
マルウェア感染率が高い国

欧州各国におけるマルウェア感染率は引き続き低く保たれている。もっとも感染率が低かった国はオランダで19.19%。これに英国の20.35%、ドイツの20.60%が続いた。欧州以外の国で唯一トップ10に入ったのはオーストラリア。9位で26.67%だった。

マルウェア感染率が低い国
マルウェア感染率が低い国

トップ10に入らなかったものの、平均よりも感染率の低かった国には日本(26.84%)、ハンガリー(27.56%)、ベネズエラ(27.82%)、コロンビア(29.14%)、イタリア(30.16%)などがあげられる。米国は30.58%だった。

Corrons 氏は、欧州各国の感染率が低い理由を次のように説明した。

「欧州では、市民に対してセキュリティリスクを教育する、セキュリティ意識向上キャンペーンが頻繁に実施されている。これにより、利用者はセキュリティに対してより高い意識を持つようになっている」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。