IBM PC の父と呼ばれた Bill Lowe 氏が10月19日亡くなった。72歳だった。

IBM PC の父、Bill Lowe 氏死去
Bill Lowe 氏
1980年代の初頭まで、IBM は巨大で高価なビジネスコンピューターを販売するメーカーだった。だが、Lowe 氏が試作品開発の指揮をとった IBM PC により、ビッグブルーは大きなターニングポイントを迎え、IBM の製品は米国の一般家庭にも浸透することになる。

Time 誌は1983年、「今年の人(Person of the year)」として、人物ではなく IBM PC を選択した。今でこそ PC 産業はモバイルデバイスに押され、陰りを見せつつある。だが当時は、4.77 MHz の Intel 8088 プロセッサと 16kB のメモリーを搭載した IBM PC は、ビジネスコンピューティングに革命を起こし、パーソナルコンピューティングの世界を切り開いた画期的なマシンだった。

Lowe 氏は ATARI 社の買収を提案したがこれは却下され、代わりに当時の CEO だった Frank Carey 氏の指示により、IBM 社内で特別チームを編成して、PC の設計・開発をスタートさせた。Lowe 氏は1か月以内に試作品を製作せよという要求に応え、これを実現した。IBM は最初の PC を1981年8月12日に公開している。

IBM PC の父と呼ぶのにふさわしいとされる人物はもう1人存在する。Lowe 氏のプロジェクトを引き継いだ Philip (Don) Estridge 氏だ。Estridge 氏は、試作品段階にあった PC を1年以内に製品化するという要求を実現するため、主要なコンポーネントやソフトウェアを外部ベンダーから調達するというシステムを構築した。Estridge 氏は、1985年に航空機事故で亡くなっている。

(この記事は、10月29日付け英文記事の抄訳です)