大阪大学基礎工学研究科と産業技術総合研究所ナノスピントロニクス研究センターは、半導体ダイオードの性能を上回る、ナノメートルサイズの磁石を用いたスピントルクダイオードの開発に成功した。

スピントルクダイオードは、高感度、小型、高速チューニング、低抵抗、周波数選択性などの特性のため、通信機器/IC タグや車載レーダーなどの高周波エレクトロニクス素子への応用が期待できるそうだ。

携帯電話などで広く用いられるマイクロ波の検出方法に、現在は半導体ダイオードが使われているが、半導体ダイオードは性能指数である感度がすでに理論限界に迫っているため、これ以上の性能改善は難しい。

スピントルクダイオードは、半導体とはまったく異なる原理で動作するダイオードで、2005年にこの研究グループが提案したもの。提案当時の性能指数は半導体を下回っていたが、今回、非線形効果という新たな仕組みでスピントルクダイオードの性能を大幅に向上させた。またこの新型ダイオードでは、素子の小型化により、もうひとつの性能指数である信号雑音比をさらに向上できることがを見いだされた。

この研究の成果は、10月20日発行の英国科学雑誌「Nature Materials」のオンライン速報版で公開された。

産総研など、半導体ダイオードを上回る感度のスピンダイオードを開発
素子の模式図