Linux カーネルは Linux OS の心臓部分だ。その貢献者はかつてない数にまで増加しており、貢献企業の業種も様々な分野へと拡大を続けている。

Linux カーネルを書いているのは誰なのか? ― Linix Foundation による最新レポート
Linux Foundation は9月16日、Linux 開発に関する年次報告書「Linux Kernel Development: How Fast It is Going, Who is Doing It, What They Are Doing and Who is Sponsoring It」を公開した。Linux 開発に貢献しているのは誰なのか?Linux の成長速度はどれほどのものなのか、をまとめている。

レポートからは、Linux カーネルのサイズが増加を続けていることがわかる。例えば今年6月にリリースされた Linux 3.10 カーネルのコードは1,696万1,031行に達している。これに対し、2010年7月にリリースされた Linux 3.0 カーネルは、1,465万1,135行のコードで構成されていた。

3.0から3.10までの Linux カーネルコード行数(出典:Linux Foundation)
3.0から3.10までの Linux カーネルコード行数(出典:Linux Foundation)

Linux カーネル開発者である Greg Kroah-Hartman は eWeek に対し次のように述べた。

「2003年にこれらの数字を記録するようになって以降、私は Linux 開発のスピードに驚き、Linux へのコミット数や、貢献者数および貢献企業数の増加がこのペースで続くはずがないと言い続けてきた。だが現実には、すべての数字が増加を続けている。私の予測は間違っていたと言うしかない」

Kroah-Hartman 氏は、リリース毎の開発日数と時間毎の変更数に注目して欲しいと述べている。開発日数が長期にわたりほぼ一定しているだけでなく、時間あたりの変更数は着実に増加傾向にある。これは、Linux カーネル開発者が開発プロセスと、開発ツールを受け入れたためだと Kroah-Hartman 氏は説明している。

バージョンごとのカーネル開発日数(出典:Linux Foundation)
バージョンごとのカーネル開発日数(出典:Linux Foundation)

時間あたり変更数(出典:Linux Foundation)
時間あたり変更数(出典:Linux Foundation)

「コミュニティの規模が大きくなるにつれて、変更の割合、パッチの数が増加している」

Linus Torvalds 氏


Linus Torvalds 氏は、新しい Linux カーネルを正式にリリースする人物として、いまも Linux 開発の中心に存在している。だが、実際のコードコミットに関して Torvalds 氏の貢献は、いまでは Linux カーネル開発者の上位100位にランキングされてはいない。

Torvalds 氏による貢献は、最新の報告書では101位にランキングされている。このランキングは、Linux 3.3 から 3.10 までのカーネルリリースで生成された変更(パッチ)数をもとにしたものだ。ランキングでトップに立ったのは H Hartley Sweeten 氏で、変更全体の2.3%を占めた。Sweeten 氏に次ぐ貢献を見せたのは Mark Brown 氏で、変更の割合は1.5%だった。

カーネル貢献者トップ15(出典:Linux Foundation)
カーネル貢献者トップ15(出典:Linux Foundation)

貢献企業ランキングでは、Red Hat が10.2%でトップに立っている。これに次ぐのがチップベンダーの Intel と Texas Instruments で、変更の割合はそれぞれ8.8%と4.1%だった。その他の企業では、IBM が3.1%、Google は2.4%、Oracle は1.3%の変更で Linux カーネルに貢献をしている。

カーネル貢献企業トップ15(出典:Linux Foundation)
カーネル貢献企業トップ15(出典:Linux Foundation)

プラトー


Linux コミュニティーでは、カーネル開発が「プラトー(努力しても、進歩が見られない段階)」に到達することがあるのか、するとしたらそれはいつなのかがよく話題に上る。Kroah-Hartman 氏は、Linux カーネル開発はすでにプラトー段階に達していると述べる。だが、現実には過去10年間、Linux カーネル開発は成長を続けてきた。

「我々は、既存のソフトウェア開発ルールを壊し、これまでとは異なった方法で再構築してきた。我々はみな、未知の領域にいる。我々にできるのは、開発における最重要課題を見極め、目の前にある開発プロセス上の問題点を軽減するよう努めることだけだ」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。