米国 Google が Chrome Web ブラウザをリリースした2008年、ほとんどのユーザーは PC 上で Internet Explorer(IE)を利用していた。Chrome が5回目の誕生日を祝った2013年9月現在、ブラウザを巡る状況は当時とは大きく変化している。

モバイルは2008年当時とは比較できないほど大きな存在となり、Chrome はモバイルユーザーの重要なツールとなった。人々は自宅や職場、移動中や旅先で様々なデバイスから Chrome Web ブラウザを利用して、情報の検索を行っている。

2012年6月、Chrome はブラウザシェアで初めて IE を抜き、世界で最も利用される Web ブラウザとなった。

StatCounter の統計によれば、Chrome の世界 Web ブラウザ市場におけるシェアは2013年8月現在で42.8%。シェア2位である IE の25.6%に大きな差をつけている。シェア3位は Mozilla Firefox で19.3%。4位は Apple Safari で8.6%。Opera は1.2%となっている。

Google Chrome ブラウザが5回目の誕生日を祝う
トップ5 Web ブラウザのシェア推移(出典:StatCounter)

1年前の2012年8月、Chrome のシェアは33.6%だった。シェアは1年で9.2ポイント上昇したことになる。一方、IE のシェアは1年前の32.9%から7.3ポイント下落した。

Chrome のソフトウェアエンジニアリングディレクターである Erik Kay 氏は、eWeek に対し次のように述べた。

「これは驚きでもあるし、大きな喜びでもある。Google は Web を変えたいと考えて Chrome プロジェクトをスタートさせた。Web の進化を加速させたかったのだ。当時我々は、Web ブラウザの進化が停滞していると考えていた」

もちろん、当時も Mozilla は Firefox を進化させようとしていたし、Microsoft は IE のアップデートを続けていた。だが Google からは、ブラウザ開発者が何年も同じことを繰り返しているように見えたと Kay 氏は語る。Chrome は既成概念の枠を超え、表示速度、セキュリティ、使いやすさ、すべての面で、Web ブラウザに革新的な進化を持ち込んだ。

Chrome のイノベーションの1つは、組み込み型の翻訳機能だ。利用者はこれにより、外国語の Web サイトを訪れたときに、Google 翻訳サービスを利用して自動的に翻訳を表示可能となった。

「Google 翻訳は、我々が期待した以上の成果をあげた。これほど多くの利用者に影響を与えた機能に携われるというのは滅多にないことだし、本当に楽しい経験だった。Google はこの分野での他社の挑戦を歓迎する。競争は、Web 全体にとって素晴らしいことだと考えるからだ」

では、Chrome の開発における最大のイノベーションとはなんだろうか?Kay 氏は、Chrome のサイレントアップデートシステムだと述べた。このシステムにより、利用者は、自分の手でファイルをダウンロードして、手動でアップデートを適用する煩わしさから解放された。また、Web ブラウザのセキュリティを高め、メンテナンスを容易にすることにも貢献した。

「今となっては当然のことだと皆思っているだろう。だが当時としては画期的なことだったのだ」