Linus Torvalds 氏は、新しい Linux カーネルを10から12週ごとにリリースしている。だが、必ずしもすべてのカーネルが企業や家電での利用に耐えるほど安定しているわけではない。

Linux 3.10 が長期サポートカーネルに
今週、Linux Foundation のフェロー Greg Kroah-Hartman 氏は、6月終わりにリリースされた Linux 3.10 カーネルを、長期サポートカーネルにすると宣言した。長期サポートカーネルは、Kroah-Hartman 氏によって、最大2年間保守されることになる。

ではなぜ Linux 3.10 が長期サポートカーネルに選ばれたのだろうか? Kroah-Hartman 氏は eWeek に対し、多くの企業と Linux を利用した製品計画について話し合った結果だと説明した。

Linux はサーバーとしてだけでなく、多くの家電製品で組み込み OS として利用されている。Kroah-Hartman 氏は、今後開発され、発売される新製品の機能をもとに、カーネル側では何が必要とされるのかを企業と話し合ったという。

Kroah-Hartman 氏は、「多くの企業からの様々な要求に、最も適合するのが 3.10 カーネルだとわかった」と述べている。

長期サポートカーネル

Linux 開発の世界では、長期サポートカーネルは1つだけではない。現時点では、2.6.32.61、2.6.34.14、3.0.89、3.2.50、3.4.56 の5つのカーネルが長期サポート対象となっており、Kroah-Hartman 氏は、このうち3つのカーネルの保守を担当している。

誰が長期サポートカーネルを利用しているのか?

長期サポートカーネルは、様々な種類のベンダーによって利用されている。その1つには、Linux ディストリビューションベンダー SUSE があげられる。SUSE は企業向け Linux ディストリビューションで、3.0 長期サポートカーネルを利用している。

Kroah-Hartman は、長期サポートカーネルは様々な場面で利用されていると述べた。

「3.0 および 3.4 をベースにした Android デバイスは、現在も作り続けられている。また、家電メーカーで、長期サポートカーネルや、LTSI カーネルを利用しているところも非常に多い」

LTSI とは、Linux Foundation が運営管理する、消費者向け家電メーカーによる共同プロジェクト。日立、LG、NEC、Panasonic、Qualcomm Atheros、Renesas、Samsung、ソニー、東芝などが加盟している。

長期サポートカーネルの問題点

カーネルの長期サポートが開始されてから、まだ2年しか経過していない。この試みを2011年に提案したのは、Kroah-Hartman 氏だった。Kroah-Hartman 氏は、長期サポートカーネルは概ねうまく機能しているが、いくつか問題点もあるという。

「最大の問題は、私自身が多くのカーネルを同時に保守できないという点だ。3つまでであれば、とても簡単に扱える。だがどういうわけか、4つ目のカーネルが加わると、うまくいかなくなってしまうのだ。私が2年以上前の古いカーネルを保守したくないと思っているからかもしれない」

だが、開始から2年が経過し、古いカーネルに対するパッチの量は減ってきているという。このため、新たな長期サポートカーネルが同氏の保守対象に加わっても、いまよりうまく扱えるだろうと、Kroah-Hartman 氏は述べた。

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、eWeek および InternetNews.com の主任編集者。