ダブリン大学トリニティカレッジ物理学科に設置された「ピッチドロップ」実験設備は、現在も継続中の実験としては世界最古だそうだ。

「ピッチ」(Pitch)は、黒い粘弾性のある樹脂で、石油や植物樹脂から生成される。常温では硬いが、長い時間をかけると流動性を示す物質だ。ピッチの粘度は水の230億倍といわれる。このピッチが液体であることを証明するために、実験は開始された。

ピッチは1944年以来、大体10年に一度トリニティカレッジの漏斗から落下しているが、だれもそれを目撃していなかった。今年の5月、まさに最新のピッチが落下しつつあることから、Shane Bergin 教授は実験を Web で公開することにした。

7月11日、ピッチは見事に落下し、その時間経過は誰でもビデオで視聴できる。

公開された実験

次のしずくが落ちるまで大体もう10年かかるが、インターネットに公開されたおかげで、だれでもそれを目撃できるようになった。

ダブリン大学トリニティカレッジ物理学科では、このほかに古い実験を数多く行い、昔の実験用具も持っている。「ピッチドロップ」実験が開始された時は、ノーベル賞受賞者の Earnest Walton が物理学科長だった。

また、クイーンズランド大学でも同様の実験を1927年に開始した。ギネスブックの世界記録では、これを世界最長期間の実験とランクづけている。この実験では8滴が落ちているが、誰一人目撃していない。