Google Reader は7月1日、公式に姿を消した。15万人を超える利用者が、Google Reader の存続を求めて嘆願書に署名をしたが、その願いはかなわなかった.

米国 Google は3月、サービス終了の理由を次のように説明していた。

「Google Reader の利用者は減少している。また、我々は企業として、社内リソースを、より限定した製品に向ける必要がある」

だが利用者の減少だけが、サービス終了の理由ではないだろう。Google Reader はかつて、ニュースの収集に便利なツールだった。だがその後、様々な理由によってその存在意義を失っていったのだ。

ここでは、Google Reader のサービスが終了した理由を考えたい。

1. RSS フィード自体にかつての勢いがない

Google Reader が2005年にサービスを開始したとき、RSS フィードは長期にわたって、コンテンツにアクセスするための重要な手段になると予想されていた。

だがここ数年、RSS フィードは勢いをなくしている。Web ユーザーが、情報にアクセスするための別の手段を持つようになったからだ。

2. Twitter は新しい時代のニュースソース

Twitter は、RSS フィードに取って代わるサービスとなり、ニュースヘッドラインを知るための、新たな、そして人気の高い手段となった。

大事件が発生した場合、ニュースはまず Twitter で伝播する。

例えば、オサマビンラディンが殺害されたとき、その事実はオバマ大統領が公式に発表する前に、Twitter で世界中に広まった。Twitter により、このニュースは発表前に古くなってしまったのだ。このように、Twitter は、最新のニュースを伝える新しい方法となった。

オサマビンラディン殺害を伝えた Twitter への投稿
オサマビンラディン殺害を伝えた Twitter への投稿

3. ニュースソースとしての Facebook の台頭

Facebook の台頭により、SNS がニュースを知るための新たな場所となった。Facebook が「ソーシャルニュース革命」を推進した、とも言える。この革命により、Web ユーザーは、友だちに起こった出来事や、友だちが共有するニュースやコンテンツサイトにより強い関心を抱くようになった。

Google は、Facebook に対抗するツールを必要としたが、それは Reader ではなかった。

4. 「Google ニュース」 があれば、Google Reader は要らない

Google Reader は、最新のニュースや情報を利用者に届けるために開発されたものだ。だが、Google ニュースも同じ目的で開発された。そしていまや、Google ニュースは、Google の最も重要なコンテンツプラットフォームとなっている。

Google は、Google ニュースと競合するサービスである Google Reader を排除する必要があったのだ。

5. Web ユーザーは、自分に必要な情報だけを欲しがっている

Web 黎明期、Web ユーザーはインターネットによって、世界中のあらゆるニュースが入手可能になったことに興奮した。

だがその後、Web ユーザーの嗜好は変化する。Web ユーザーは、特定のニュースサイトが発信するすべての情報を入手するのではなく、幅広いニュースソースの中から、自分が関心のある情報だけを知りたいと考えるようになったのだ。キュレーションサイト(まとめサイト)の人気が高まっているのは、この変化の現れだ。

この Web ユーザーの嗜好の変化も、Google が Google Reader から Google ニュースへとフォーカスを移した理由の1つだ。

6. Google Reader の収益性の低さ


Google は、同社のサービスから、最大限の収益をあげるための努力を続けており、これは、Larry Page 氏が CEO に就任して以降、Google のキーフォーカスとなっている。

このため、Google はアドネットワーク「AdMob」に対して大規模な投資をする一方で、収益性の低いサービスを次々と閉鎖している。Google Reader は、収益性の低いプログラムの1つだった。残念ながら、RSS フィードがお金を生むことはなかったのだ。

2009年に Google が買収したモバイル広告ネットワーク「AdMob」
2009年に Google が買収したモバイル広告ネットワーク「AdMob」

7. Google Reader 利用者数の減少

これは Google の発表したとおりだ。Google Reader の利用者数は減少傾向にあり、Google が Reader 向けに人的リソースを割くことを困難にしていた。利用者側が Reader を重要だと思わなくなっているのに、Google がそう思わなければならない理由などない。

8. Larry Page 氏の方針

Google Reader が終了する最大の原因は、Larry Page 氏にあると言っても過言ではないだろう。Page 氏は多くのサービスの中止を決定してきた。

かつて Google は、複数の似たようなサービスや、未完成でユーザーが十分な利用体験を得られないサービスを提供していた。Page 氏は CEO 就任以降、毎年「春の大掃除」を実施してきたが、今回 Reader がその対象となってしまった。

イメージ
Google CEO である Larry Page 氏

9. エンジニア不足

Google のエンジニアには限りがあり、重要性が失われていくプラットフォームに対して、人的リソースをかけることが困難になっている。一部報道によれば、Google はサービス終了のかなり前から、Reader 担当のエンジニア削減を実施していたそうだ。

10. Reader は以前から放置されていた

Google は、Google Reader のアップデートを続けてはいたが、それはどれもぱっとしないものだった。Google は Reader の開発にあまり力をかけていなかったのだ。問題は、利用者がこれに気づき、Google Reader 離れが加速してしまっていたことだ。だが Google はそれでも、このサービスに注力することはなかった。