マウス、E メール、ワープロソフトなど、長期に渡って利用される IT 標準の発明・開発に寄与してきた Doug Englebart 氏が7月3日亡くなった。88歳だった。Englebart 氏が2005年からフェローとして勤務していた米国カリフォルニア州マウンテンビューのコンピュータ歴史博物館が、同氏の死去を伝えた。同施設は、Englebart 氏のご息女である Christina さんから E メールで知らされたという。

マウスを発明した Doug Englebart 氏、死去
マウスを発明した Doug Englebart 氏

スタンフォード国際研究所、 パロアルト研究センターなどに勤務した Englebart 氏は、マウスの発明者として知られている。同氏は1960年代後半にマウスを発明し、1970年に同技術の特許を取得した。

だが Englebart 氏は、現在も広く利用されているこの小さなデバイスの発明から、ロイヤルティ―を受け取ることはなかった。

Englebart 氏の発明は、あまりにも早すぎたのだ。同氏が取得した特許は17年後の1987年には期限切れとなり、マウスはパブリックドメインに帰する技術となった。このため、マウスが世界中で広く利用されるようになった頃には、同氏は特許料を受け取ることはできなくなっていた。

Sun Microsystems の共同創業者であり、元 CEO の Scott McNealy 氏は Doug Englebart 氏について次のように語った。

「Doug は、ネットワークコンピューティングがそれほど一般的ではなかった60年代、70年代に、すでにネットワークテクノロジーの開発に関わっていた。Doug の先見性、勇気、そして非プロプライエタリでオープンなインターフェイス開発へのこだわりには、この地上に存在する人類の知恵に対して、インターネットを通じてアクセスするすべての男性、女性、子どもたちが恩恵を受けている」

Engelbart 氏は、生涯で20の特許を取得した。その中には、E メールの誕生に影響を与えたもの、コンピューターインターフェイスにおけるマルチウィンドウに関するもの、ネットワークやインターネットに関するものがある。また、1968年には、世界初の双方向のコンピューター会議システムによるデモンストレーションも実施している。