米国 IBM の6月24日(現地時間)の発表によると、ハーバード大学が、230万種類の有機化合物と炭素化合物について、太陽光を電気に変換する際の適合性をカタログ化した無償データベースの提供を開始した。

ハーバード大学の「Clean Energy」プロジェクトは、IBM が管理する仮想スーパーコンピュータ「World Community Grid」で分子をスクリーニングしており、いまだかつてない規模の量子化学研究が可能だと期待されている。

ハーバード大学の研究で特性が明らかになった分子構造のうち、約1,000種は、とらえられた太陽光の11%以上を電気に変換する可能性があり、3万5,000種は10%以上の効率を達成できる、とみられる。

現在までに研究されている有機太陽電池の大半は、太陽光のわずか4〜5%を電気に変換できるにすぎない。一方、シリコンを使用した太陽エネルギー用素材の効率は約15%だが、製造コストがかさむ。

有機太陽電池には、シリコンなど従来の素材で製造されたものと比べて、大きな可能性があるという。

例えば、炭素系素材は、現在、ビニール袋などを製造しているのと同様の技術で、低コストでの大量生産が可能であり、また、有機太陽電池は、屋根、窓、壁などに塗布したり吹き付けたりでき、超軽量型のデバイスに使用できるほど薄く軽量だ。

World Community Grid は、ボランティアが寄付するコンピュータのアイドリング時の処理能力を活用している。Clean Energy プロジェクトは、World Community Grid によって実現した、プロジェクトの最新事例で、Clean Energy プロジェクトには米国エネルギー省も一部出資している。

World Community Grid は、Berkeley Open Infrastructure for Network Computing(BOINC)のプラットフォームで稼働しており、カリフォルニア大学バークレー校が開発と保守を行い、米国の国立科学財団が支援している。

ハーバードの「Clean Energy」プロジェクトで低コストの有機太陽電池の可能性
分子をスクリーニング(提供:IBM)